2021 Fiscal Year Research-status Report
後期高齢がん患者の主体性を尊重した意思決定支援モデルの開発と評価
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20K19085
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
瀬沼 麻衣子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60783115)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢がん患者 / 家族 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢がん患者の意思決定支援に必要な要因を明らかにするために、令和2年度に実施した高齢がん患者の意思決定における家族が抱える思いについての文献検討について、結果・考察をまとめ、論文投稿した。治療期にある高齢がん患者の家族が抱える意思決定の思いは、【患者の意思を尊重しつつ家族にとっても最善の選択をしたい】【先を見通せない状況下での重要な決断に負担を感じる】【高齢な患者の告知による精神的負担を考慮したい】【できる限りの治療をして少しでも長く生きてほしい】【安心できる場所で療養生活を支えたい】の5カテゴリが生成された。高齢がん患者は、価値観や信念をもとに意思決定をしていると考えられ、患者の思いを把握するために家族内のコミュニケーション能力を高める必要がある。また、加齢に伴う予備能力の低下により先の見通しが立ちにくいことから、治療や療養による日常生活の変化がイメージでき、先の見通しが立てられるように関わることが重要であることが示唆された。本研究より、家族への意思決定支援の要素について明らかにすることができた。 後期高齢がん患者の治療選択に影響した要因について面接調査を実施していたデータを用いて、結果・考察を再検討した。後期高齢がん患者の治療選択における意思決定に影響を与える要因として、【今までの生き方による人生観】【医療者の専門的なサポート】【身近な重要他者との相互関係】【判断に必要な情報の不足による不安】の4つのカテゴリが明らかとなった。本研究については、論文投稿に向けて準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
後期高齢がん患者の家族への面接調査について、COVID-19の影響で病院内での面会禁止等により家族への面接調査ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
感染対策に留意しながら、後期高齢がん患者の家族への面接調査を進める。感染症拡大時に面接調査が中断する場合に備え、オンライン面接や、質問紙による調査も検討する。
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Causes of Carryover |
オンライン開催のため、学会参加ための旅費がかからなかった。 次年度は家族への面接調査を予定しているため、調査のための費用や、論文投稿料として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)