2020 Fiscal Year Research-status Report
未成年者におけるがん発症前診断の遺伝カウンセリングモデルの提示
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20K19173
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鹿田 佐和子 (松崎佐和子) 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (00853053)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 未成年血縁者 / 発症前診断 / 遺伝性腫瘍 / 遺伝カウンセリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国内の未成年者がん発症前診断の実態と心理的影響を明らかにし、未成年者におけるがん発症前診断の遺伝カウンセリングモデルを提示することである。本研究では、文献探索とレビュー、実態調査、意識調査にて国内の未成年者におけるがん発症 前診断の現状を把握し、その課題を抽出する。そして、実際に発症前診断の遺伝カウンセリングを受診した親権者と未成年被検者の心理的影響をインタビュー調査で明らかにする。 得られた結果を多面的に検討し、未成年者におけるがん発症前診断遺伝カウンセリングモデルを提示する。 未成年者の発症前診断には特別な配慮が必要となるため、本研究を開始するにあたり、まずは当院で経験した症例を振り返り、「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」「子どもを対象とする看護研究の倫理指針」「未診断疾患イニシアチブのインフォームド・アセント(IA)文書」を参考に遺伝性腫瘍に対する未成年者発症前診断の指針を作成した。その際、未成年者へのインフォームド・アセント文書と親権者への同意代諾文書を新たに作成した。これらは九州大学病院臨床倫理審査で承認を得て、現在までにこの指針に沿って3名の未成年血縁者に対し遺伝性腫瘍発症前診断を実施した。 次に、国内の未成年者におけるがん発症前診断の現状を把握するため、①実施調査(紙媒体)と②遺伝医療従事者(臨床遺伝専門医指導医、認定遺伝カウンセラー、遺伝看護専門看護師)を対象とした意識調査(オンライン)に関する臨床研究(観察研究)倫理審査の承認を得ている。現在、これらの送付準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
院内の未成年者に対する遺伝性腫瘍発症前診断体制の指針作成のための部内協議および資料作成に想定より時間を要した。また、常に進展している本邦のがんゲノム医療や遺伝性腫瘍に対する医療提供状況を把握しながら慎重に進めているが、新型コロナウイルスの影響によって当初の予定に反して計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画は主に以下2点である。 1)国内の未成年者におけるがん発症前診断の現状を把握するため、①実施調査(紙媒体)と②遺伝医療従事者(臨床遺伝専門医指導医、認定遺伝カウンセラー、遺伝看護専門看護師)を対象とした意識調査(オンライン)の調査結果の分析を開始する。 2)各遺伝性腫瘍の当事者団体を対象とした未成年者の遺伝性腫瘍発症前診断に対する意識調査と、未成年者のがん未発症診断を希望し、遺伝カウンセリング外来を受診した親権者と未成年被検者に対するインタビュー調査を臨床研究倫理審査の承認を得て開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、参加予定の学術集会がweb開催となり旅費が余剰した。また、研究全体が計画より少し遅れていることもあり、助成金の使用額に影響していると考えられる。
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Research Products
(5 results)