2023 Fiscal Year Research-status Report
未成年者におけるがん発症前診断の遺伝カウンセリングモデルの提示
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20K19173
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鹿田 佐和子 (松崎佐和子) 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (00853053)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発症前遺伝学的検査 / 遺伝性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における未成年血縁者発症前遺伝学的検査に関する実態調査をまとめた。調査協力を依頼した142施設中74施設(回収率52.1%)から回答を得た。未成年血縁者の発症前遺伝学的検査の経験があるのは29施設(39.2%)であり、対象とした4年間に12の遺伝性腫瘍、76症例の遺伝カウンセリングを実施していた。経験のある施設において、インフォームド・アセントの実施に関する困難さの要因として、自由記載から、6つのコード「親の不安」「親のI Aへの否定的態度」「理解力がわからない」「内容・量が適切か悩む」「関係性を築く時間がない」「理解度が把握できない」が抽出され、【親の否定的態度と思い】と【未成年者の理解力と理解度の把握】に分類した。また、サーベイランスの困難さの要因として、自由記載から、5コード「連携が難しい」「話し合えていない」「知識・経験不足」「自費診療の経済的負担」「アクセスの課題」が抽出され、【診療科間の隔たり】と【自費か保険診療かの迷い】に分類した。加えて、実施経験がない施設の困難さの要因として、自由記載では, 11コード「遺伝専門部署がない」「主治医の知識不足」「専門職不足」「理解が得られない」「自費の受け入れが難しい」「メンタルサポート体制がない」「主科の決定と連携が難しい」「長期フォローができない」「サーベイランスが難しい」「ガイドライン等の必要性」「対策・アイディア」が抽出され、【体制整備の困難】と【指針の必要性】に分類した。 また、インタビュー調査に関してはがんゲノム医療やMulti Gene Panel検査の普及に伴い状況が計画当初と大きく変化しているため、対象者の決定および絞り込み方法の再検討を行なう必要がある。その準備のため、意識調査のデータ解析および文献レビューを行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
引き続き、論文報告を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
実態調査および意識調査に関しては、引き続き、論文報告を行う予定である。 対象者のインタビュー調査を行い、本年中にはデータ解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度、論文の校正やインタビュー調査のための遠征を予定していたが、Covid-19の影響による研究の遅れにより実施ができなかったため。
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