2023 Fiscal Year Research-status Report
足底感覚入力を用いて指導者・学習者双方の効率化を図る新しい動作指導方法の確立
Project/Area Number |
20K19422
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
大古場 良太 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (30825253)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 足底感覚 / 歩行 / 知覚入力型インソール / 突起 / 同時収縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,主にスポーツ領域におけるジャンプ動作と足底知覚による動作指導の影響を検証した.特に膝関節前十字靭帯損傷の受傷肢位として代表的な膝関節外反及び下腿外旋のいわゆるKnee-in肢位の修正指導として,突起を用いた着地位置の動作指導の効果を調査した.健常成人女性23名に対し,①なにも意識せず着地させたコントロール条件,②「膝とつま先が真っ直ぐ向くよう着地」を指示した口頭指示条件,③突起条件の3条件とした.突起条件では,突起シールを左足底の母趾球と小趾球に痛みなく知覚可能な位置に貼付し,膝関節中間位での着地を促すため「二点の突起を同時に踏む」よう指示した.指標は着地前後の大腿二頭筋と半腱様筋の筋活動比(LH/MH比)とした.結果,コントロール条件よりも突起条件での着地前後のLH/MH比が減少し,Knee-in肢位の要因といわれている外側ハムストリングスの過活動を改善できる可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響で遅れていたデータ計測について,当初の予定には追い付いていない状況であるため.次年度では,足底感覚入力の長期介入効果として,運動学習へ与える影響を検証し,より日常生活での実践的な活用可能性を探っていく.
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,健常者や高齢者,下肢マルアライメント例(変形性膝関節症によるO脚変形や足部過回内症例,外反母趾症例を想定)へ対象を拡げ,足底感覚入力の長期介入を検証する.検討事項として,突起を外した「非着用」状態での歩行および立ち上がり動作,荷重課題運動における学習効果(保持効果)への検討を加える.着用前後の一致率の比較や,着用中・着脱後の動作における「主観的な」動作理解や学習効果も,質問紙を用いて比較する.着用期間1カ月および着用期間終了後1カ月を想定しており,縦断的な検証も行う.
|
Causes of Carryover |
当初予定していたデータ計測数に達しておらず,また,本手法の長期介入効果に関する検証に取り掛かれていないため,次年度使用額が生じている.そのため,計測にかかわる消耗品や協力謝金,成果発表のための費用(学会発表や論文校正,投稿)に使用する予定である.
|