2020 Fiscal Year Research-status Report
身体活動の抗炎症作用による神経保護メカニズムに脳内Aβ蓄積が及ぼす影響の検討
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20K19442
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
牧野 圭太郎 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (90775545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 身体活動 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体活動による神経保護および認知機能の保持には、神経炎症の抑制が関与していると考えられている。また、神経炎症と脳内アミロイドβ(Aβ)は密接な関連性が示唆されている。本研究は、身体活動の抗炎症作用による神経保護効果が、脳内Aβ蓄積の有無により異なるのかを解明することを目的としている。研究デザインは地域高齢者を対象とした2年間の縦断観察研究である。 1年目の本年度では、本研究の選定基準に基づき、既存データベースから脳内のアミロイド蓄積がある者とない者をそれぞれ抽出し、身体活動量、炎症性サイトカイン濃度、大脳灰白質容量を含むデータ基盤の整備を行った。現在、次年度に実施予定の追跡調査について準備を進行中である。本研究によって身体活動の抗炎症作業による神経保護メカニズムに脳内アミロイドβ蓄積が及ぼす影響が明らかになれば、神経保護効果が現れやすい対象者を予めスクリーニングし身体活動介入へと誘導するなど、非薬物療法による認知症予防施策の効率化へ寄与し得ると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗として、本研究の対象者の抽出および脳内アミロイドβ蓄積による群分けが完了している。また、縦断解析に向けたデータ基盤の整備が計画通り進んでいることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策として、本年度に抽出した対象者の追跡調査を実施し、身体活動量、炎症性サイトカイン濃度、大脳灰白質容量の縦断変化を計測する。これらの変化量について脳内アミロイドβ蓄積の有無による比較を行い、身体活動の抗炎症作用に対して脳内アミロイドβ蓄積が及ぼす影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
データ基盤の整備は既に進行中であるが、炎症性サイトカイン等に関する血液検体の解析は次年度にまとめて実施予定であり、専門業者への委託費用が次年度へと繰り越された。
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