2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K19579
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松下 宗洋 東海大学, 体育学部, 講師 (20758594)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スポーツ格差 / 生活時間 / ライフイベント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本人における社会経済的地位による運動・スポーツ実施の格差の実態を明らかにすることである。これまでに本研究では、子ども・青少年において等価世帯年収が低いグループで、運動・スポーツ所属率が低いことを明らかにしてきた。さらに本研究では、成人期における社会経済的地位と運動・スポーツ実施の関連を検討し、男性では全ての年代で大学・大学院卒と比べ、中学・高校のグループで運動・スポーツ実施率が低いが、女性では社会経済的地位と運動・スポーツ実施率には各年代で一貫した関連がみられないことを報告してきた。 これまでに成人を対象に行ってきた本研究では、就業状況に労働時間や職種に関するデータが含まれていないことに研究の限界があった。また20-30代女性では運動・スポーツ実施率が低く、その原因としてライフイベント(結婚や子育て等)も関わっていることが考えられる。そこで今年度は、社会経済的地位における就業(職種や労働時間)と運動・スポーツ実施の関連を検討すること、また両者の関連において生活時間(家事・育児に費やす時間)がどのように関連しているかを検討することを目的としたインターネット調査を行った。 インターネット調査の対象者は、日本に在住する30歳代の男女1,260名とした。性(男性・女性)、就業時間(0-20時間未満、20-40時間未満、40時間以上)、婚姻状況(独身、既婚)、子育て状況(子育てあり・なし)を組み合わせたグループを設定し、回答者数が同数になるように調査を行った。主な調査項目は、1)運動・スポーツ実施に関する項目:運動・スポーツ実施、場面別(仕事、移動、余暇)の身体活動、2)社会経済的地位:最終卒業学校、就業状況(労働時間、職種)、3)1日の過ごし方に関わる項目:家事・育児にかける時間、通勤時間であった。得られたデータの統計解析を行い、学会発表や論文投稿の準備を行っている。
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