2021 Fiscal Year Research-status Report
茶カテキンの腸内環境改善作用を介した抗肥満作用とその機序の解析
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20K19672
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
後田 ちひろ 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 学科助手 (30869764)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | EGCG / 肥満 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではの目的は、茶カテキン(epigallocatechin-3-gallate: EGCG)の抗肥満作用が腸内細菌叢のdysbiosis改善作用によることを直接確認し、その分子機構を明らかにすることである。マウスを用いた動物実験と細胞を用いたin vitro試験を組み合わせて解明する。 今年度は細胞を用いたin vitro試験を実施し、EGCGが腸管へ直接的に作用するのか明らかにするために、ヒト結腸癌由来細胞を用いてEGCG添加実験を実施した。具体的には、ヒト結腸癌由来腸管上皮株化細胞用い、EGCGの透過性へ及ぼす影響について評価した。ヒト結腸癌由来細胞をEGCGとともに培養することで、結腸へ及ぼす影響を検討した結果、EGCG添加群はコントロール群と比較して変化があることが観察された。さらに結腸のバリア機能について明らかにするために、杯細胞様細胞株を用いて検討をすすめる計画である。EGCGの結腸細胞に対する直接的な影響がある可能性を踏まえ、来年度はさらに分子機序を詳細に解明する。 EGCGを含むフィトケミカル類は摂取後の腸管からの吸収率は非常に低いため、大腸におけるEGCGの直接的な作用機序を詳細に解析する予定である。細胞実験結果と合わせて、EGCGによる肥満予防と腸内細菌叢の関係性について、腸内細菌ならびにその代謝物の影響、あるいはEGCGが直接的に腸管へ及ぼす影響も併せて明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EGCGの抗肥満作用が腸内細菌叢のdysbiosis改善作用によることを直接確認し、その分子機構を明らかにすることを目的に実験を実施した。具体的には、腸内細菌叢の関与については除菌マウスへの高脂肪食摂餌実験ならびにマウス腸内細菌叢移植実験により検証し、分子機構についてはEGCGによるAkkermansia属菌増加に着目し、腸管バリア機構に与える影響を検討する。 今年度は細胞実験を中心に実施した。しかしながら申請者の転職手続きに加え、新興感染症による影響が続いたこと、さらに実験条件検討に時間を要したこともあり、進捗がやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、EGCGの抗肥満作用が腸内細菌叢のdysbiosis改善作用によることを直接確認し、その分子機構を明らかにすることである。 今年度はヒト結腸癌由来細胞株を用いた実験を実施してEGCGの影響を観察し、変化が観察された。そのためEGCG直接的な影響について、分子機序を解明する予定である。申請者の所属変更に伴い、無菌マウスを扱える施設を使用できなくなったため、除菌マウスを用いた実験に変更し、研究を継続できるよう調整している。 また、EGCG摂取による脂肪肝抑制作用の機序を明らかにするため、肝臓組織検体を用いて、新たにマイクロアレイ解析を実施する予定である。細胞実験も組み合わせて、EGCGの抗肥満作用の分子機構を明らかにする。 以上の実験を実施し、結果を公表する計画である。
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Causes of Carryover |
今年度も新興感染症により、研究を一部変更して実施したため、物品費・人件費の使用額が予定よりも少なくなった。また学会がWeb開催へ変更されたため、旅費やその他経費の使用額が変更になった。さらに所属機関変更のため、研究中断期間が生じたことにより、次年度使用額が生じた。未使用額は一部変更した研究の実施のために使用する予定である。
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Research Products
(4 results)