2020 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋代謝機能に着目した加齢に伴う筋の質的変化の検討
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20K19691
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
吉子 彰人 中京大学, 教養教育研究院, 助教 (70825124)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋細胞内脂肪 / 磁気共鳴分光装置 / 筋代謝機能 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者では筋の量が減少する一方で筋内部の線維組織や脂肪が増加する.特に筋内に蓄積する脂質は「筋内脂肪」と呼ばれ,筋の質的な指標とされてきた.筋内脂肪の一部 (特に筋細胞の中にある筋細胞内脂肪) は,筋力やインスリン抵抗性との関連が指摘されている一方で,骨格筋代謝を担う貴重なエネルギー基質となるとの報告がある.これに基づき,本研究では,高齢者と若齢者を対象に筋内脂肪と筋代謝機能 (特にミトコンドリア機能) を測定し両者間で比較すること,さらに筋内脂肪と筋代謝機能の関係性を検討することを目的とした. 今年度は,以下の4つの項目を実施した:1.本研究で重要な指標の1つである膝伸展筋力を測定する筋力計の制作を業者に依頼した,2.代表者の所属機関と筋細胞内脂肪の測定機器 (磁気共鳴分光装置,MRS) の管理機関に設置されている研究倫理審査委員会に実験実施の申請を行い,両委員会から承認を得た,3.筋細胞内脂肪の測定の予備実験を行った,4.本実験のための被検者をリクルートした.これらの実施によって,安全に実験を行う設備・環境を整えることができた.予備実験で得られたデータは現在解析中であるが,今後は予備実験のデータをもとに本実験を行い,高齢者と若齢者を対象とした筋細胞内脂肪,筋代謝機能や筋量などのデータを収集していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は本実験を行う設備や環境を整えることができた.しかしながら,本実験のデータを取得できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本実験を実施し,筋細胞内脂肪,筋代謝機能,筋量などのデータを収集する.さらに,得られたデータを論文で発表できるように,データの解析,データの統計処理や論文の執筆を進める. 現在,新型コロナウイルスの感染拡大によって,高齢者に対する実験の実施が難しい状況である.今後の感染状況・対策状況を注視するとともに,感染防止措置を取りながら,高齢者を対象とした実験を実施する予定である.万が一,そのような対応でも実験の実施が難しい場合は,若齢者でのデータを検討することで,本研究の目的である「筋内脂肪と筋代謝機能の関係」を明らかにすることができると考える.
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Causes of Carryover |
2020年度に予定していた筋力計の設計・製造に時間がかかり,購入手続きが遅延したことで,次年度使用額が生じた.当該の筋力計は既に発注済みであり,次年度使用額については,これに当てる予定である.
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