2020 Fiscal Year Research-status Report
変量効果分布の誤特定に対して頑健な一般化準線形混合効果モデルの開発
Project/Area Number |
20K19759
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三枝 祐輔 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30806469)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一般化線形混合効果モデル / 準線形モデリング / 変量効果分布の誤特定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、広範な科学領域において扱われているクラスターデータの解析において、一般化線形混合効果モデルを用いたときの変量効果分布の誤特定による問題を解決する方法論を開発することである。 まず、一般化線形混合効果モデルの誤特定に対する性質や、問題を解決するための方法論について既存研究の整理を行った。変量効果分布の誤特定下においては、回帰パラメータの推定に無視できない程度のバイアスが生じる、回帰係数の信頼区間の被覆確率が低下する、回帰係数に関する検定の第1種/第2種の過誤確率に悪影響が及ぼされる、などの問題が報告されていた。変量効果分布の誤特定に対して頑健な推定を行うための方法論として、変量効果分布をノンパラメトリックに推定する手法、正規混合分布の仮定の下で推定する手法などが提案されており、数値シミュレーションによる性能比較に関する報告も行われていた。 現在までの研究成果として、準線形モデリングと呼ばれる方法論を用いて一般化線形混合効果モデルを拡張したモデルを提案した。さらに、提案モデルの回帰パラメータの推定アルゴリズムと提案モデルに適用可能な情報量規準を与えた。また、変量効果分布の誤特定下において、提案したモデルが従来の線形モデルに比べてより良く当てはまることを数値シミュレーションによって明らかにした。 これらの研究成果について、2020年度統計関連学会連合大会、応用統計学会2021年度年会で口頭発表を行った。また、論文としてまとめ査読付き国際学術雑誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究環境に関する問題はなく、計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
事前に計画していた基本的なアイデアをある程度形にすることができたため、今後は学会や研究集会等でこれまでの研究成果を発表し、諸分野の先生方からのコメントを頂き、提案手法やその評価方法について改良可能な部分がないかを検討したい。 今後の課題として、提案モデルの回帰パラメータの推定量の性質を調べたい。また、提案手法が既存手法に比べてより良い推定結果を与えるような実データの適用例を探したい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、COVID-19の流行によって参加予定であった国際学会がオンライン開催となり、現地参加のために計上していた旅費が支出されなかったためである。次年度の使用計画としては、当初の計画通り、学会参加のための旅費として支出する予定である。
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Research Products
(1 results)