2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of revised evaluation sheets of risk prediction ability based on time pressure theory
Project/Area Number |
20K20249
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
有久 勝彦 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 講師 (90711359)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | リスク評価 / ヒューマンエラー / 医療事故 / 転倒・転落 / タイムプレッシャー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,令和元年度まで実施した「タイムプレッシャー理論をベースとした状況予知学習を用いたリスク介入効果について(JSPS科研費 JP17K13044;若手研究B)」の結果から,医療従事者の危険予知能力を測定する評価法TP-KYTの作成に至り,その評価法の再評価版を作成し,再評価として利用することができるのか,医療従事者のリスク教育の一助として再評価を含めた検討が可能であるのか,を検証するものである. 当該年度は再評価版(TP-KYT PartB)の作成から熟練の医療従事者に対してのデータ収集までを計画した.TP-KYT PartBの作成については,医療事故収集等事業の医療事故・ヒヤリハット事例の中から危険が起こりそうな状況5場面を選定しイラストの作成を行い,評価冊子の完成まで至ることができた.また,データ収集についてはExpertの医療従事者50名を対象にTP-KYT PartBの危険項目を抽出してもらい,リスクの定義である「リスク=想定される被害の大きさ×生じる確率」に倣い,危険の大きさを加味した上で重みづけし点数化を行う予定である.現在20例のデータ収集が終了しており,2021年度中に目標の50名に到達する予定である.20例の危険項目の抽出データについては,質的データ解析ソフトウェアであるMAXQDAにてその特徴ごとにカテゴリ化し,リスク判断の傾向に幅広い視点を持っていること,物と人との関連性を見出す視点を持っていることなど,Expertの特徴を抽出することができた. 2021年中にデータ収集および解析をさらに進めTP-KYT PartBの完成を目指す.本評価が完成することにより,リスク教育の効果を前後比較もしくは定期的に評価できるという点で,医療従事者に今までにない新しいリスク教育について提案できる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象は医療従事者であり,Covid-19に対する各施設の対応により外部から施設に訪問しデータ収集を行なうということが制限されている.医療従事者の研究協力者に依頼し20名のデータ収集を行なうことができたが,今後のCovid-19の状況によっては今後のデータ収集も不透明な状況である. 引き続き研究協力が可能な医療施設を探し,データ収集を行なえる研究協力者を募る必要がある.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度はTP-KYT PartBの点数化を図るために,昨年度に引き続き医療従事者からのデータ収集を実施する.また,併せて対象をExpertだけでなく,Competent,Advanced Beginner,Noviceまで広げることで,今年度実施予定であるTP-KYT PartBの評価法としての妥当性,信頼性を検証していくこととする. TP-KYT PartB完成後は,初版との比較を通して再評価として使用できるのかを検討していく予定であり,加えてその成果について結果の公表を行う予定である.
|
Causes of Carryover |
今年度は研究打合せをZOOMで行ったため,旅費としての支出が実行されなかった.また,データ収集もCovid-19の影響によりほとんど実施できなかったため,データ入力も少量のデータで済み人件費もかからなかった. 今年度使用できなかった費用については翌年度研究データ取得のための交通費、人件費として支出予定である.
|