2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of revised evaluation sheets of risk prediction ability based on time pressure theory
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20K20249
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
有久 勝彦 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (90711359)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リスク評価 / タイムプレッシャー / 医療事故 / 転倒・転落 / ヒューマンエラー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,令和元年度まで実施した「タイムプレッシャー理論をベースとした状況予知学習を用いたリスク介入効果について(JSPS科研費 JP17K13044;若手研究B)」の結果から,医療従事者の危険予知能力を測定する評価法TP-KYTの作成に至り,その評価法の再評価版を作成し,再評価として利用することができるのか,医療従事者のリスク教育の一助として再評価を含めた検討が可能であるのか,を検証するものである. 当該年度は作成した再評価版(TP-KYT Part.B)を用いて熟練および非熟練の医療従事者に対してのデータ収集を実施した.データ収集に関してはPart.Aとの整合性を検討するためデータの同時取得を行いながら収集を進めている.現在85例のデータ収集が終了しており,内訳は熟練48例,非熟練35例,不明2例である.2023年度中期までに熟練48例の危険項目の抽出データについて,質的データ解析ソフトウェアであるMAXQDAにて熟練のリスク抽出の特徴についてカテゴリ化を実施する.現在5場面中2場面までのカテゴリ化を実施しており,今年度の第57回日本作業療法学会にて成果公表を行う予定である. さらに,2023年中にデータ収集および解析をさらに進めTP-KYT Part.Bの妥当性と信頼性の検証およびPart.Aとの相関の確認を目指す.本評価が完成することにより,リスク教育の効果を前後比較もしくは定期的に評価できるという点で,医療従事者に今までにない新しいリスク教育について提案できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象は医療従事者であり,Covid-19に対する各施設の対応により,外部から訪問しデータ収集を行なうということが昨年度も制限がかかっていた状況であった.しかしながら,医療従事者の研究協力者に依頼し現在までに研究の第一段階のデータ数は確保できた.ただし,今後の質的分析によっては,追加のデータが必要になる可能性もある. 現時点での研究進捗が遅れているため,今年度中に再評価版の検証に至るかは不明である.引き続きデータ検証とともにデータ収集も進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はTP-KYT Part.Bの点数化を図るために,熟練者の危険場面の気づきについて質的分析を進め熟練者のリスク発見の特徴を確認する.その後,Part.Bの得点化をPart.Aの得点化方式に則り実施する.また,併せてPart.Aのデータも同一対象者より行っているため,TP-KYTのPart.AとPart.Bで相関がみれるのかを検討する.さらに,対象をExpertだけでなく,Competent,Advanced Beginner,Noviceまで広げることで,今年度実施予定であるTP-KYT PartBの評価法としての妥当性,信頼性を検証していくこととする. ここまで当該年度にて実施することで,今までの研究の遅れを解消することができ,計画通りに進めることができると考えている.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、Covid-19によって研究協力施設にデータ収集に行くことに制限が生じたことが挙げられる。本来であれば研究責任者が研究協力機関に赴きデータ収取を行う予定であったが、それが出来ず今回は同施設で働く研究協力者に依頼しデータを収集してもらうこととなった。データ収集のための移動交通費の使用がなくなったため次年度使用額が生じる結果となった。 今年度はCovid-19によるデータ取得制限の緩和も見込めるため、昨年データ収集ができなかった分も含めて今年度はデータ収集を行うこととなっており、適正な回数の移動交通費が生じる予定である。
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