2021 Fiscal Year Research-status Report
日常生活の歩行に基づく新しいロッカーソールデザインの構築
Project/Area Number |
20K20270
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
渡部 祥輝 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (30838107)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 歩行 / ロッカーソール / 糖尿病足病変 / 足底圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、積極的な人を対象とした実験は困難な状況であった。そのため、重症化リスクの少ない、健常若年者を対象とした基礎的な実験を中心に研究を遂行した。 まず、全体の研究の基盤となる研究として、健常若年者を対象に、ロッカーソールのデザインが歩行中のToe clearance(つま先と床との距離)に及ぼす影響を検討した。これにより、ロッカーの頂点位置が近位のものや、ロッカーの頂点角度が小さいロッカーソールでToe clearanceを低下させる可能性が考えられた。これは、ロッカーソールのデザインによっては、歩行中のつまずきによる転倒を惹起する可能性を示すものであった。 また、健常若年者を対象に、屋外と屋内での歩行における足底圧の違いの調査を行った。検討内容として、屋外、屋内、トレッドミルでの歩行に着目し、それぞれの環境下での歩行における、足底局所の最大足底圧、および圧ー時間積分値を比較した。その結果、環境によって、足底圧、および圧ー時間積分値に違いが観察された。これにより、屋外での歩行の調査の必要性が高まり、健常成人を対象とした日常生活中の歩行に最適なロッカーソールの検討につながるものとなった。 この研究を踏まえて、令和3年度後半から3つ異なるデザインのロッカーソールを用い、健常若年者を対象とした、日常生活中の歩行に最適なロッカーソールデザインの検討の実験を遂行中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常若年者を対象とした研究を遂行できたため、令和3年度に予定していた研究は概ね順調に進展した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、現在遂行中の研究を引き続き遂行する。また、これまで得られたデータを整理し、論文化する作業を行う予定である。 それと並行して、歩行に影響を与えるロッカーソールのデザインの特徴を選定および、歩行の安定性を評価する変数を再度検討した上で、日常生活中の歩行に最適なロッカーソールのデザインを検討していく計画である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、関連する学会の中止やWebでの遠隔開催のため、旅費等の経費が生じなかったことや、実験の遂行を優先したため、論文を投稿する費用が発生しなかったことにより次年度使用額が生じた。令和4年度は、これまで、収集したデータおよび、現在遂行中の実験をまとめ、学術誌への投稿や、学会での発表を予定しているため、そこにかかる諸費用として使用していく計画である。
|
Research Products
(1 results)