2019 Fiscal Year Annual Research Report
Historical study of the Science Council of Japan
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17H06183
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久保田 明子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (40767589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 睦 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (00260000)
高岩 義信 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 協力研究員 (10206708)
飯田 香穂里 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (10589667)
兵藤 友博 立命館大学, 経営学部, 授業担当講師 (20278477)
小沼 通二 東京都市大学, その他部局等, 名誉教授 (70027340)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 日本学術会議 / 学術研究体制 / アーカイブズ学 / 科学史 / 歴史学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は引き続きコロナ感染流行による出張や集会、密となるような場所での調査活動の制限のため、当初予定していた研究計画を完全に遂行することはかなわなかった。特に、日本学術会議の書庫へ立ち入っての、比較的規模を持った資料整備(複数人のアルバイトを雇用し、数日間連続して密閉性の高い書庫で作業をする整備など)については、その人員の確保、スケジュールの調整等は困難であり、計画的に遂行することができなかった。このことは、外に持ち出して整備することがかなわない、希少な資料群についてアーカイブズ学に沿った整備を実施することを研究の重要な課題とし、根幹の一部としている本科研においては厳しい状況であった。 しかしながら、研究分担者等本科研に参加している研究者の個々による調査や研究、またその成果の発信は見られた(日本科学史学会、日本物理学会年会における研究分担者による報告があった)。例えば、特に科学史研究、日本学術会議の研究については、学会等での報告が積極的になされていった。任命拒否問題、軍民両用研究問題、学術と政治の問題、核の議論など、近年の日本学術会議に関する報道に見られる事象は、ここ最近急に単独で突然に起こったことではなく、本科研の研究主題として明らかにしようとしている日本の学術体制の確立の経緯も背景となっている。そのことから、本科研を継続する意義は大きく、現在および今後の日本の学術の在り方や学術体制を検討するうえでも研究を遂行していく意義を改めて自覚的に確認もした。コロナ感染流行の状況等の心配はあるが、まずはできる範囲で、今後もまず調査研究を進めることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染流行の状況を受けて、特に東京にある日本学術会議に、研究者やアーカイブズ整備として複数人数で訪問することができなかった。特に書庫内は、現在避けるべきとされている「密」の空間となるため、スキルのある人材を複数雇用して実施する調査を実施することは絶望的であった。現地に一度にグループで集まり、調査や整備などの作業を行う必要のある本科研の活動の一部は停滞せざるを得なかった。また、アルバイト雇用を募集することも同じ理由でできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染流行の状況は、いまだ予断を許さないところはあるが、以前よりはある程度研究活動の事由を取り戻せていると考える。状況を見据えながら、今後は、まずは科研の研究状況を振り返り、これまで蓄積した調査データの再整備、また活動の取りまとめを行う。そして可能であれば研究集会を開催し、現状を改めて把握し議論したうえで、今後の課題を明確に提示することを目標とする。
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Research Products
(7 results)