2020 Fiscal Year Research-status Report
Interdisciplinary research on standardization of individual cultures between anthropology and accounting
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20K20280
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
出口 正之 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (90272799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 選哉 日本大学, 経済学部, 教授 (00341199)
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (10183063)
藤井 秀樹 京都大学, 経済学研究科, 教授 (80173392)
宇田川 妙子 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 教授 (90211771)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トランスフォーマティブ研究 / 領域設定総合化法 / 非営利法人 / 公益法人 / 会計基準 / 国際非営利会計基準 / IFR4NPO / ブック・ローンチ・ビデオ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.いち早くオンライン研究体制を確立して、研究の遂行に支障をきたさないようにした。2.本研究は現代社会における非営利組織の「個別文化の標準化問題」を扱うが、研究テーマに恰好の対象となる世界事象が出てきた。それは非営利会計の国際標準化問題である。非営利会計の国際標準化のプロジェクトIFR4NPOがスタートして、研究代表者はこの国際プロジェクトに加わった。会合は全てオンラインであり、今年度5回の正規の研究会に参加した。グローバルな参加なので、日本時間ではたいてい深夜からの開催となることから、上記以外に3回の分科会が開催されいずれも参加した。3.AVPN(Asia Venture Network)のウェビナーに参加し、同システムの交流システムを活用することで、リアルに国際会議に参加する以上の効果が得られた。企画していた国際シンポジウムは、オンラインで実施したが、直前に中国と米国との間で一部のSNSの使用について政治問題化したために中国・台湾からの参加は見送らざるを得なかった。6.予定していた中国や台湾の訪問はコロナウィルスのために断念した。7.オンラインによるヒアリングを積極的に活用した。記録などは非常にとりやすいことがわかった一方、クラウドでの保存にコストがかかることも明らかになった。また、ヒアリング対象者に対して了解が得られたものについては、公開で行ったところ、200名を超える参加があり、これも新しい研究手法として、有効性について検討した。8.研究分担者の役割は変更せずに研究を遂行した。9.研究成果について『会計学と人類学のトランスフォーマティブ研究』(出口正之・藤井秀樹編)として上梓したことから、出口と藤井で「ブック・ローンチ・ビデオ」を作成。トランスフォーマティブ研究の意図を明確に語るなど、新しい研究成果の手法も模索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
会計学者と人類学者が一緒に融合調査を行うという点については断念せざるを得なくなったものの、全体として、コロナの影響を逆風ととらえることなく、トランスフォーマティブ研究の契機になりうることとして、オンラインでの研究方法を検討し、「挑戦的研究」にふさわしい試行錯誤を繰り返した。研究成果として出版した『会計学と人類学のトランスフォーマティブ研究』(出口正之・藤井秀樹編)は、日本で初めて「トランスフォーマティブ研究」をタイトルに入れた日本語書籍ではないかと思料している。同書の出版に伴うブック・ローンチ・ビデオも、「ブック・ローンチ・ビデオ」と銘打ったのも本邦初と考えている。こうした点からも、挑戦的研究(開拓)の趣旨に照らして、当初の計画に比して極めて順調に進展していると自負している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ時代にあった研究手法を各種試しながら、今年度も研究を遂行する。オンラインの研究で全世界的なグローバルな参加がある場合には、地理的な状況から極東地区は深夜の時間帯に設定せざるを得ず、現実的でないことがはっきりした。時差を意識すればある程度の「経度の幅」の範囲での研究会等が有効である。そのことから、国際共同研究も、東アジア、東南アジア、オセアニアなど、「時差3-4時間」の範囲内での研究者の協力を求めていく。また、SNSを使用した研究成果の報告やリサーチクエスチョンの公表などを通じて、同じ関心を持つ研究者を増やしていくことについても検討していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、一切の出張を取りやめて、オンラインに切り替えたことにより、次年度使用額が発生した。次年度も出張は困難が予想されるので、可能な限りオンラインによる研究に挑戦し、バーチャルな出張により、研究目的の遂行を実施する。
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Remarks |
コロナの影響を考えてデジタル化を促進した。科研費専用のほーーむページを作成。科研費研究の成果の出版に合わせて、日本でも例がないと想定されるブックローンチビデオを作成してYouTubeで公開した。
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Research Products
(14 results)