2021 Fiscal Year Research-status Report
Interdisciplinary research on standardization of individual cultures between anthropology and accounting
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20K20280
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
出口 正之 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (90272799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 選哉 日本大学, 経済学部, 教授 (00341199)
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (10183063)
藤井 秀樹 京都大学, 経済学研究科, 教授 (80173392)
宇田川 妙子 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 教授 (90211771)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ビジネスセントリズム / 公益法人 / 非営利法人 / 会計 / IFR4NPO / 論動画 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、コロナの影響によって社会が大きくデジタル化、リモート化にシフトしたこともあって、挑戦的研究(開拓)の趣旨に沿って、従来とは異なる手法による研究を積極的に行った。具体的には、AVPN(Asia Venter Philanthropy Network)会議にオンラインで低廉で参加することができたほか、国際非営利会計財務報告(IFR4NPO)策定のプロセスにすべてリモートで参加することができたとともに、研究成果についてはオンラインで国際学会であるInternational Society for Third Setor Research(ISTR) において発表を行った。 こうしたことは、研究計画当初には想定できなかった事態であり、大いに研究が進展した。 また、VirtuaL Officeをオンライン上にセットし、研究ミーティングや打合せにも使用した。さらにZOOMによる外部を巻き込んだ、Webinarを開催するなど従来にはなかった手法をつかったことから、成果の発表法も従来の【論文=paper=紙】ではなく、出口正之・山岡義典「日本の現代フィランソロピー思想の原点」2022.3.1(研究挑戦としての動画発表:実験的「論動画」)として、アブストラクト、引用文献等をつけてYouTube動画として公表した。 これは挑戦的研究(開拓)であったればこそ、挑戦できたものと考えている。 このようにコロナは研究手法や研究発表方法などに大きな影響を与えた。 他方で、アンチウイルスソフトは常に最新の状態に保っていたので全くの原因不明であるが、2月末からコンピューターウイルスの攻撃を受け、データが消去されるという事態に陥った。この点での研究の停滞は否めない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ化による社会の変化を研究手法の大変革の好機としてとらえ、オンラインで研究に生かせるものと考えるなどして活用するなどした結果、当初計画の会計学者と人類学者による連携したフィールド調査はできていないが、同趣旨のオンライン上の協力関係が構築できている。 また、研究成果の発表方法においても、【論文=ペーパー=紙媒体】が大きく変化すると考え、動画による研究成果発表方法の提案を行うことができた。
なお、パソコンウイルスにより、科研データに損害が出ているが、研究遂行に大きな影響が現時点では生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の移動が制限されていたが、次年度は最終年となるため、オンライン活用を徹底するととともに、リアルの研究会を実施することで取りまとめに注力していく。また、コロナで海外での研究ができなかったことから、次年度は効率よく情報が入手可能な国際会議と成果の公表のための国際学会に積極的に参加予定である。5月末に欧州の財団が集まる会議(スペイン・バルセロナ)、7月に国際学会(ISTR。カナダモントリオール)、12月に国際研究発表会に参加を予定している。また、国際会計基準が、企業用(国際財務報告基準=IFRS)、公会計用(国際公会計基準=IPSAS)が既存のものとして存在しているが、新たなに非営利会計用(国際非営利会計基準=IFR4NPO)が設定されるべく議論が展開中であり、この点についても同時並行でこれまでの研究成果を反映した意見を提供していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により、国内外の出張が大きく制限されたことにより、次年度使用額が発生した。次年度は最終年であり、研究成果の取りまとめ、学会等での発表を中心に行っていく。とりわけ、昨年参加を予定していて、オンライン開催となったISTRのモントリオール大会には、コロナの状況を勘案しつつも出席発表を行う。その他にも昨年出席を予定しながら延期となった国際会議に出席してできるだけ効率的に非営利組織の会計をめぐる諸問題を収集して、単に日本の現象としてではなく学術的な普遍性を求めてビジネスセントリズムの諸問題を明らかにしていく。 他方で、挑戦的研究(開拓)の趣旨から、研究成果発表についても、コロナ後の社会変化を加味して、SNSや動画を駆使して挑戦的に前例を破っていく。
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