2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of mechanisms of pain evoked by meteorological environment
Project/Area Number |
20K20308
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 浩二 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80452340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
S Youssefian 京都大学, 医学研究科, 教授 (00210576)
高橋 勉 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20270845)
奥田 裕子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30709663)
小泉 昭夫 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (50124574)
尾野 恭一 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (70185635)
小林 果 三重大学, 医学系研究科, 講師 (70542091)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 疼痛 / 温度 / 気象環境 / 細胞内輸送 / ナトリウムチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛は、高齢者をはじめ多くの人々が経験し、低気圧や寒冷曝露で誘発されることが多い。近年、原因として脊髄後根神経節でのNav1.9ナトリウムチャネルの発現増加が原因となることが明らかになってきた。我々は、家族性で、気象の変化で誘発される神経疼痛を発症する7家系の患者を遺伝子解析し、Nav1.9 (遺伝子名SCN11A) の遺伝子異常を通じて、 細胞膜表面での発現が環境温度に依存することを見出した。本研究の目的は、温度依存性Nav1.9の発現に着目し、そのメカニズムの詳細を明らかにすることである。 小児四肢疼痛発作症の原因遺伝子として同定したScn11a p.R222S変異マウスを用い、気候変動として寒冷による疼痛行動変化の検証を行った。野生型マウスと比較して、低温処置後のScn11a変異マウス(p.R222S)は機械刺激性アロディニアを一過的に示した。一方で、低温処置による炎症の生化学的・器質的な徴候は認められなかった。このモデル動物に漢方製剤である牛車腎気丸を投与し、疼痛の抑制が確認できた。減圧環境下での疼痛感作を検討した。50hPaまでの減圧による行動を観察し、野生型マウスに比べて変異型マウスでの行動が抑制される傾向が示された。疼痛家系は79家系であり、家系は日本全国にわたっており、そのうちSCN11A 変異を持つ家系は3割であった。SCN11A変異が見られない症例のexome解析を行った。その結果、SCN11A以外の候補となる変異を見出した。その変異について、電気生理学的検討を細胞発現系を用いて機能変化を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに研究を完了したが、その成果を学会発表、学術雑誌に報告するために学術研究助成基金助成金の補助事業期間を1年度延長する。
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Causes of Carryover |
計画通りに遂行し、課題は完了したが、研究成果の報告が新型コロナウイルス感染症の拡大により部分的に困難になったため、次年度に延長して成果報告を実施する。
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Research Products
(7 results)