2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of evidence-based policy making in education
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18H05314
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中室 牧子 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (20598403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 啓子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (00453530)
グリフェン アンドリュウ 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (10645055)
澤田 康幸 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (40322078)
真野 裕吉 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40467064)
佐々木 みゆき 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (60241147)
樋口 裕城 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (60757269)
奥村 高明 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (80413904)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 留学 / 保育の質 / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、主に下記の研究について進めた。
フィリピンの再貧困地域であるカシグラハン地域における2小学校、1中学校におけるランダム化比較試験は、平成30年度にデータ収集を終了し、31年度以降データ解析を行うフェーズに入る目途がついた。特に平成30年度は中学校で、日本の「すららネット」社の全面協力の下、eラーニングを用いた学習支援の介入と保護者に対して教育の重要性と教育費の貯蓄を奨励する情報提供を行ったほか、保護者の社会ネットワークの計測も行うことができた。30年度末には、29年度まで行ってきた小学校低学年におけるお絵かき介入の処置群の生徒が、2つの小学校の校舎の壁に介入で学んだ絵を描くというラップアップも行った。 トビタテ留学Japanのデータを用いた留学の効果を計測するためのデータ収集は順調に進んでいる。6/7期の応募者のデータを用いたプレ分析を行い、トビタテ留学JAPANの奨学金を得て留学した生徒の英語力や国際志向性は統計的に有意に上昇しているものの、男女差や留学期間の長さによって異質性があることが認められることが明らかになった。この点は、文部科学省内でも報告会を行い、このプレ分析であまり有意な結果が認められなかった変数や対象者間で差の少ない質問項目は外すなどの調整を行った。30年に留学した7/8/9期の留学前データはすでに収集した。31年5月に帰国した対象者に対して事後調査を行う予定である。自治体の行政データを使用した研究は、8月に中間報告会を行ったほか、その結果の一部は教育心理学会(9月)、発達心理学会(31年3月)でも報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トビタテに関するデータ収集は、英語コミュニケーション能力を計測するためのVERSANTの受検率が低い。データをみると、試験開始直後に脱落している受検者が多く、機械相手とはいえ、英語を話し、評価されることに対して抵抗がある受検者も多いとみられる。代替的に用いたPragmatic Testは、テストにかかる時間も短く、回答率も高いものの、どの程度総合的な英語力コンピテンシーを計測できているかの妥当性検証は十分でない。このため、慶應義塾大学の1年生を対象にした妥当性検証を行った上で、今後のデータ収集における英語コミュニケーション能力を計測するためのテストを、VERSANTに代えてPragmatic Testを用いるかどうかを検討しているところである。
自治体と共同している保育環境の質に関する研究は、滞りなく進捗している。追跡調査はH30年で2年目となり、H31も同様にデータを収集する準備ができている。小学校入学後のデータも回収率は90パーセントに達し、極めて高い回収率でデータを収集できている。ただし、健康に関するデータは、1歳児、3歳児の検診に参加した児童の数が少なく、健康をアウトカムにした研究は、企業と合同で新たな枠組みでのデータ収集を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
H31年はトビタテ留学JAPANにおけるH30年に留学を開始した7期/8期/9期生に関するデータ収集を進め、Pragmatic TestのValidity Testと合わせて論文化を進める。またフィリピンにおけるランダム化比較試験も5月に開催される国際ワークショップでの発表が決定しているため、分析を進め、発表の準備を行う。健康に関する研究については、行政データから取得できる健康診断のデータのサンプルサイズが少なく偏りもあることから、健康経営を進める企業とともにデータ収集を行う方向でデータを収集する予定である。
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Research Products
(2 results)