2020 Fiscal Year Research-status Report
近未来のWise Mothers & Fathers育成:子供の栄養改善への挑戦
Project/Area Number |
20K20334
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮本 和子 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60295764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 訓子 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (10822710)
望月 和樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80423838)
針谷 夏代 山梨学院大学, 健康栄養学部, 准教授 (80732784)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子どもの低栄養 / 農村部住民主体型活動 / 農業による栄養改善 / 小学生交流 / COVID-19予防衛生教育 / カンボジア |
Outline of Annual Research Achievements |
1.カンボジアでの研究:COVID-19流行の影響により、調査対象の中心である学校が閉鎖(2020年3月13日~11月上旬及び2021年2月下旬から現在)となり、また、日本人研究者がカンボジアに渡航できず現地調査を行えないなど、多くの研究が計画通りに遂行できなかった。一部の調査活動はカンボジア人スタッフと研究対象地域住民協力者・学校協力者が中心となって実施、また日本とカンボジアとをオンラインで結び実施できたものもあった(モデル校と地域住民ボランティアの拠点であるコミュニティセンターに本研究費にてWi-FiとPCを設置したことで実現)。 1)オンラインにて実施できた調査活動:①日本の小学生とカンボジアの小学生とが3回交流会を実施した。子どもたち同士の意見交換により日本―カンボジアの子どもたちの生活比較や子どもたちの視点から見たそれぞれの生活課題・利点などが整理された。②COVID-19流行に関連し、学校や村での感染予防対策としての手洗いや衛生環境に関する調査を実施した。③正しい手洗い方法の健康教育を実施:日本において手洗い方法のビデオを作成し、クメール語の説明をつけ実用化。視聴者からの評価を聞取った。COVID-19予防活動の一助ともなった。2)地域住民等で実施したもの:7月以降、対象地域にて感染者無しの状況を鑑み、対象地域行政の許可の元、住民の栄養向上を目指した農業技術トレーニング(家庭菜園、小規模池による養殖)を実施。これらの参加者の感想や意見から、農村地域において栄養向上を目指した農業の可能性と課題を抽出した。3)実施できなかった調査活動:カンボジア伝統食の栄養分析は日本人研究者が実際の料理を収集、分析する調査活動が必要であったため、実施できなかった。 2.日本における研究:1)上記カンボジアの小学生とのWeb交流を実施した。2)食育活動を日本の調査対象校にて一部実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19流行の影響により、 1)日本人研究者が渡航して行う研究が実施できなかった:研究の中心であり、日本人研究者が現地訪問により実施する計画であったもの、①各種栄養分析材料の収集、②食事調査(面談式聞き取り調査)、参加型観察等は実施できなかった。 2)調査対象の中心である学校の閉鎖による制限(2020年3月13日~11月上旬、および2021年2月下旬から現在):学校での①身体計測活動の継続、②子供たちを対象とした栄養聞き取り調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今年(2021年)中の現地調査は8~9月と翌年2~3月を予定しているが、8~9月現地調査は実施困難と考える:2021年2月からカンボジア全土でCOVID-19流行の爆発的拡大が起こり、2021年5月現在も感染制御の見通しが立っていない。日本の流行状況もコントロール困難な中にある。このため、2021年8~9月に予定していた現地調査(2020年実施分を含む)も実施困難である可能性が高い。 2.2021年2~3月調査は実施可能性が高い:カンボジアでの予防接種終了は11月の予定である(現段階でも10%超え、日本より実施率は高い)。カンボジアの感染状況が改善することが見込まれる。 3.2021年度は2~3月でできる限りの調査を行えるよう調整する(滞在期間1か月程度、隔離拘束は日本の感染状況と予防接種状況により不明、現段階では詳細計画作成は不可能)。 4.研究期間の1年延長することで当初目的が達せられるよう調整可能と考える:当初計画では2022年3月で終了予定であったが、上記の様に、目的達成は困難であることが予測される。研究期間を1年延長し、2023年3月とすることを検討したい。2022年2月~2023年3月の14か月程度で、予定していた研究の主要部分は実施できると考える。
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Causes of Carryover |
理由:2020年度は日本人研究者がカンボジア渡航できず、旅費及び現地調査費用を使用することがなかったため、この分の研究費が使用できなかったため、次年度使用額が生じた。 使用計画:1)2021年度の現地調査が可能であれば、使用予定である。ただし、2021年5月現在、カンボジアにてCOVID-19流行が広範囲に見られ、渡航の見込みは立っていない。また、現在、日本人はカンボジア入国が一定の条件下で可能であるが、滞在期間は1回30日間が限度であり、その内入国後14日間は隔離対策の対象となる。また、感染者が多いプノンペン市から地方への訪問規制があるため、この状況下では調査実施は困難であり、状況の改善を待つ必要がある。この状況が長期に続いた場合、今年度の現地調査実施も計画から大きく遅れる可能性が高い。2)このため、経過を見ながら、調査期間の半年~1年程度の延長が必要ではないかと考えている。その場合は、研究期間延長手続きの後、2023年度使用を考えている。 ※時期については現在の見込みであり、COVID-19流行(カンボジア側と日本側の両方)の状況により、変更がありうる。
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Research Products
(1 results)