2021 Fiscal Year Research-status Report
死亡票とレセプトの連結解析による高齢者終末期ケアの実態解明
Project/Area Number |
20K20674
|
Research Institution | Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
西 巧 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 主任技師 (20760739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 俊樹 福岡大学, 医学部, 講師 (50555555)
馬場園 明 九州大学, 医学研究院, 教授 (90228685)
今任 拓也 福岡大学, 薬学部, 講師 (20368989)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 終末期ケア / 高齢者 / 国保データベース(KDB) / 死亡票 / データリンケージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年から2018年の人口動態調査死亡票と、福岡県内市町村国保と後期高齢者医療広域連合のKDB突合CSVのうち、2014年から2018年までに死亡によって資格喪失した者の、後期移行者名寄せ処理済み被保険者台帳データを連結し、自宅での死亡を目的変数とし、性、死亡時年齢、配偶関係、世帯の主な仕事、要介護度、死因と死亡18ヶ月前から12ヶ月前までの併存疾患の有無、経管栄養・酸素吸入・人工呼吸の有無を説明変数としたロジスティック回帰分析によって、自宅死亡に影響を与える要因を明らかにした。 自宅死亡の確率を有意に増加させる要因とそのオッズ比は、最新要介護度(基準:要介護認定なし)が要支援1:1.13、要介護5:1.16、死因(基準:循環器系の疾患)のうち、症状、徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの:5.73、内分泌、栄養及び代謝疾患:1.67、精神及び行動の障害:1.45、配偶関係のうち、不詳:5.35、未婚:1.69、離別:1.67、死別:1.21、併存疾患のうち、高脂血症:1.18、肺疾患:1.06であった。一方、在宅死亡の確率を減少させる要因は、女性:0.87、死亡時年齢:0.98、要介護3:0.84、要介護4:0.88、世帯の主な仕事(基準:無職)が勤労者1:0.87、死因のうち、感染症及び寄生虫症:0.23、新生物:0.70、血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害:0.41、神経系・感覚器官の疾患:0.85、呼吸器系の疾患:0.28、消化器系の疾患:0.41、皮膚及び皮下組織の疾患:0.59、筋骨格系及び結合組織の疾患:0.59、腎尿路生殖器系の疾患:0.52、併存疾患のうち、認知症:0.62、片麻痺対麻痺:0.79、脳血管障害:0.81、うっ血性心不全:0.87、腎疾患:0.80、鼻腔栄養:0.61であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
死亡票に含まれる情報に加え、レセプト情報から得られる併存疾患や処置等の自宅死亡に与える影響を明らかにでき、今後の研究を進めるに当たって有用な情報も得られたため、概ね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2019年、2020年のデ-タを追加し、明細部を付加したデータベースを用いて終末期医療・介護費及び死亡場所の決定に影響を与える要因と積極的延命治療に関連する要因についての分析を実施する。 これらの解析結果についてとりまとめ、国内・国際学会発表及び論文投稿を行う。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響によって、予定していた学会参加のための旅費の支出が減少した。また、研究発表の段階を進められなかったことによる英文校正・投稿料の支出が生じなかったため次年度使用額が生じた。次年度の英文校正・投稿料に使用する計画である。
|
Research Products
(2 results)