2022 Fiscal Year Research-status Report
ゾミア的空間の地球史にむけたプレリサーチ:非人間中心主義的転回への人類学的応答
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20K20728
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内藤 直樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (70467421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10513517)
岩佐 光広 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (20549670)
石川 登 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (50273503)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 地質人類学 / 景観生態学 / 景観リテラシー / 世界農業遺産 / ジオパーク / 人新世 / 山村 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地球上のさまざまな地域における領域国家への包摂/排除に関わる動きを、多様な人間と非人間による意図的・非意図的な相互作用よる「世界制作プロジェクト」の一種として捉え、そのダイナミクスを比較考察すること(「ゾミア的空間の地球史」)にむけた視点と方法論を構築することにある。そのためのプレリサーチとして、近現代の東南アジア(タイ・山地、マレーシア・島嶼部)と東アジア(日本・山地)を対象に、人間と非人間による非意図的な相互作用の結果をある種の公共空間(ゾミア的空間)の創発として捉えなおす民族誌/史的な共同調査研究をおこなう。 研究成果の公開にむけた研究活動をおこなった。まず、科研メンバーと建築学・造園学・土木学・地球科学(地質学)の研究者らで、日本文化人類学会第56回研究大会分科会D「ゾミアの地球環境学:四国山地の地質・生態・歴史」を実施した。この分科会での発表内容をもとにした原著論文を、『文化人類学』に投稿中である。さらに、四国山地の地質・発酵茶・森林・遺産保全に関連する研究者による『ゾミアの地球環境学:四国山地の地質・生態・歴史』を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
科研メンバーと建築学・造園学・土木学・地球科学(地質学)の研究者らで、日本文化人類学会第56回研究大会分科会D「ゾミアの地球環境学:四国山地の地質・生態・歴史」を実施した。 その内容をもとにした原著論文を、『文化人類学』に投稿中である。 さらに、四国山地の地質・発酵茶・森林・遺産保全に関連する研究者による『ゾミアの地球環境学:四国山地の地質・生態・歴史』を準備している。 このように、研究成果の公開が、当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、J.スコットによる「ゾミア論」を批判的に継承し、脱国家的な場所の政治・経済・生態学的な条件に関する比較研究をおこなう。次年度が最終年度であるため、本研究課題を発展させた新たな研究課題を、挑戦的研究(開拓)等で申請する。また、現在執筆中の日本語による原著論文や商業出版物の内容を、国際会議での発表や英語での出版物として公開する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の全国的および地域的流行のために、当初の調査計画や研究集会の開催を延期する必要があった。次年度の経費は、予定されていた現地調査の遂行と、研究成果の公開のために使用する。
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Research Products
(6 results)