2021 Fiscal Year Research-status Report
国公立博物館における先住民族の権利実現の可能性と課題-アイヌとマオリの比較研究
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20K20746
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
松本 裕子 (小坂田裕子) 中京大学, 法学部, 教授 (90550731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深山 直子 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (90588451)
山崎 幸治 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 准教授 (10451395)
岡田 真弓 北海道大学, 観光学高等研究センター, 准教授 (80635003)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | アイヌ / 国立アイヌ民族博物館 / テ・パパ・トンガレワ / マオリ / ウポポイ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、5回の研究会を実施した。4月24日には、深山(研究分担者)が「ニュージーランド博物館 テ・パパ・トンガレワの歴史と現在」、小坂田(研究代表者)が「差別の歴史展示を博物館の役割」と題する報告をそれぞれ行なった。7月10日には、小坂田が「アイデンティティの多様性と博物館展示」と題する報告を、石原真衣氏(北海道大学アイヌ・先住民研究センター助教)が「サイレントアイヌ 排除の暴力/包摂の暴力」と題する報告を行なった。10月23日には、立石(研究協力者)が「国立アイヌ民族博物館における「議論の場」の構築に向けた実践的試み」と題する報告を行なった。11月13日には、小坂田が「博物館展示における先住民族との協働―国立アイヌ民族博物館と国立アメリカ・インディアン博物館の比較」と題する報告を、北原次郎太氏(北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授)が「国立アイヌ民族博物館での展示制作とアイヌ語表記作成における経験について」と題する報告を行なった。3月26日には、野口泰弥氏(北海道立北方民族博物館学芸員)が「ラポロアイヌネイションと展示をつくる」と題する報告を、持田誠氏(浦幌町立博物館学芸員)が「浦幌町立博物館とアイヌ展示」と題する報告をそれぞれ行なった。 2021年度には、複数の博物館でのアイヌ展示の調査も行った。7月9日には、小坂田が国立アイヌ民族博物館を訪問、7月11日には、小坂田、深山、山崎(研究協力者)、岡田(研究協力者)で、「旭川市立博物館」と「川村カ子トアイヌ記念館」に訪問した。11月12日には小坂田が国立アイヌ民族博物館にて特別展示「ビーズ アイヌモシリから世界へ」を、11月14日には、小坂田、深山、立石が北海道博物館にて「企画テーマ展 アイヌのくらし―時代・地域・さまざまな姿」の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内での調査は順調に進んでおり、2021年度には国立アイヌ民族博物館に関する成果論文をプロジェクトメンバーが2本公表した。テ・パパ・トンガレワについては、2021年度は深山が主に文献やWebの情報に基づき、調査し、研究報告を行ったが、コロナによる入国制限からニュージーランドでの調査ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ニュージーランドが入国制限を緩和したため、2022年度中にテ・パパ・トンガレワに調査に行くことを予定している。また現在、成果本の企画を行っており、この点についても進める予定である。
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Causes of Carryover |
コロナのためニュージーランドが入国制限をしており、その影響で同国の国立博物館であるテ・パパ・トンガレワでの調査を行うことができなかった。2022年度にはニュージーランドが入国制限を緩和したため、調査を実施する予定である。
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Research Products
(18 results)