2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of orbital mechanics from discrete system to continuous system for space flexible structure
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20K21045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲守 孝哉 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (50725249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 泰貴 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (70726760)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 軌道力 / 宇宙構造物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では宇宙柔軟構造物の挙動を軌道力学の新しい視点から検討し明らかにすることを目的とする.従来研究では柔軟多体動力学(Flexible Multi-body Dynamics)の観点から剛体と膜構造やケーブル等の柔軟構造物とが合わさった動力学としての運動解明が進められてきた.これらは容易に座屈の生成・消滅を繰り返すため,座屈の表現方法や高頻度な状態変化に起因する数値不安定性の回避が研究対象となり,連続体にはたらく軌道運動の効果はあまり考えられてこなかった.しかし,より薄く大変形する柔軟構造物では軌道運動による摂動力や宇宙環境力といった効果が比較的強くなるため,挙動理解において軌道力学の観点がより重要となる. 初年度は特に宇宙干渉計を目的として宇宙機2機を伸展ブームで接続する構成について検討を行った.Hill方程式で表現される相対軌道運動の効果を柔軟構造物の質量要素に適用しその挙動を定式化した.さらに多粒子系モデルによるシミュレータを作成し軌道運動の効果や宇宙環境による力の効果の実装を行った。これらの検討により伸展ブームの軌道運動により励起される振動を明らかにした.これにより、軌道運動の効果により軌道面内の曲げ振動が軌道面内で連成することが分かった.また,軌道面内の振動は軌道運動の効果により励起されることが分かった.さらに軌道運動の角速度が大きくなるにつれ、その効果により振動の角振動数が大きくなることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた相対線形軌道効果が軌道上の柔軟構造物に与える影響について知見を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
軌道運動による形状変形や振動励起を積極的に用いて小さな電力と時間の効率的な姿勢制御手法を構築する.特に宇宙環境磁場が軌道により大きく変化することに着目し,宇宙構造物に電流ループを持たせ軌道運動から形状変形や姿勢変化を生じさせる手法について検討する.
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Causes of Carryover |
次年度の実験用器材の購入を当初想定していたが別に借用が可能なことがわかり、本年度購入の必要がなくなった。次年度は実験結果を解析したりシミュレーションによる検討をしたりする際により効率的に研究を進めるため計算機購入に用いる予定である。
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Research Products
(1 results)