2021 Fiscal Year Annual Research Report
Innovative Polymer/Hybrid Materials with Flexibility and Ultralong Room-Temperature Phosphorescence
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20K21221
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生越 友樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (00447682)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | ポリスチレンスルホン酸 / フルオロ系ポリマー / リン光 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子との複合化によるリン光発光特性の制御 リン光発光を示すポリスチレンスルホン酸は、アモルファスな高分子であるため、他のポリマーとのブレンドが可能である。そこで様々なポリマーとのブレンド化を試みた。その結果、フルオロ系ポリマーをブレンドした後に水蒸気に暴露した場合、リン光発光が長波長側にシフトし、緑色発光が黄色発光へと変化することが分かった。更に、得られた複合フィルムを100度で加熱すると、もとの緑色発光を示すことが分かった。100度で加熱した後、室温に冷却しても緑色発光であったことから、水蒸気暴露後の黄色発光は、準安定のブレンド状態に由来すると考えられる。この現象の詳細を調査するために、各種分光測定を行った。UV測定からは、水蒸気に曝した後に長波長に吸収が現れた。一方で100度に加熱すると長波長の吸収ピークは消失した。また固体NMR測定からも、水蒸気に暴露した後のポリスチレンスルホン酸のピークは、100度で加熱した後のピークとは変化した。これよりブレンド化と水暴露により、ポリスチレンスルホン酸の主鎖構造が変化したため、新たな黄色発光のリン光が発現したと考えられる。異なるポリマーを用いてブレンドを行った。その結果、ポリマーの種類に応じて、ブレンド化により長波長側にリン光発光がシフトする場合もあれば、シフトが起こらない組み合わせもあることが分かった。ポリスチレンスルホン酸と混合するポリマー間の相互作用、ブレンドした時のポリスチレンスルホン酸の高次構造が大きく関連していると考えられる。
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Research Products
(3 results)