2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel forensic technology by tissue clearing-based 3D imaging
Project/Area Number |
20K21246
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田井中 一貴 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80506113)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 組織透明化 / 3Dイメージング / 法医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、オートプシーイメージングなどの3D可視化技術により、死因究明技術の精度が上がりつつある。しかしながら、解像度が不十分なため、肉眼的所見が非常に軽微な血管の破綻部位の検出や挫創・切創における凶器の正確な特定は依然として困難である。また、標識技術と組み合わせることができないため、組織内部の受傷後の時間経過などを推定することも極めて困難である。応募者はこれまでに、哺乳類組織の透明化・染色技術に基づく3Dイメージング手法を開発した。本研究は、ヒトの死後検体を、形態を保持したまま高度に透明化し、ケミカルプローブを利用して高解像度かつ網羅的に受傷臓器を3Dイメージングすることで、正確な死因を特定する新規死因究明法の確立を目的とする。本研究で開発する透明化試薬は、腐敗臭を有する検体にも適用できることから、腐敗・水死・ミイラ検体への適応性も検討する。死因部位の網羅的な探索や凶器の特定、受傷経過時間の定量的解析により、世界標準の死因究明技術を開発する。死因となりうる種々の臓器の網羅的高解像度イメージングにより、受傷部位・期間を特定することで、死因究明の実現可能性を評価する。凶器と受傷部位が明確な法医学サンプルを用いて、受傷部位の立体構造と凶器を照合し、どの程度正確に凶器を推定できるか評価する。 既存の透明化プロトコールでは、厚みのある白質組織や脊髄、骨組織などの組織を高度に透明化することは依然として困難である。そこで本年度は、主に新規透明化プロトコールの開発に取り組んだ。その結果、3-5㎝立方の大きな死後ヒト組織検体を高度に透明化することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の透明化プロトコールに比べて飛躍的に効率の良い透明化プロトコールの開発に成功した。本手法を用いることで、法医学的に重要なサイズの大きな組織検体の3Dイメージングが可能になる。
|
Strategy for Future Research Activity |
組織透明化・3Dイメージングは、組織内の構成成分を高度に保存したまま立体的な可視化を可能にする技術であるため、死因部位の探索には有用である。今後は、多次元的な解析を実現するために、3Dイメージング後に組織化学的な解析が可能なプラットホームの構築に向けて研究を推進する。
|
Causes of Carryover |
実験台(50万円)の購入を検討していたが、2021年度中での研究室の移転が内定し、移転先の実験台を再利用することが可能な見通しができたため購入を延期した。移転後、新設の実験台がやはり必要な場合は購入し、購入の必要がない場合には、染色試薬・透明化試薬などの物品費に充てることで本研究を発展させる。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article] Three-dimensional understanding of the morphological complexity of the human uterine endometrium2021
Author(s)
Yamaguchi M, Yoshihara K, Suda K, Nakaoka H, Yachida N, Ueda H, Sugino K, Mori Y, Yamawaki K, Tamura R, Ishiguro T, Motoyama T, Watanabe Y, Okuda S, Tainaka K, Enomoto T.
-
Journal Title
iScience
Volume: 24
Pages: 102258
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Versatile whole-organ/body staining and imaging based on electrolyte-gel properties of biological tissues.2020
Author(s)
Susaki EA, Shimizu C, Kuno A, Tainaka K, Li X, Nishi K, Morishima K, Ono H, Ode KL, Saeki Y, Miyamichi K, Isa K, Yokoyama C, Kitaura H, Ikemura M, Ushiku T, Shimizu Y, Saito T, Saido TC, Fukayama M, Onoe H, Touhara K, Isa T, Kakita A, Shibayama M, Ueda HR.
-
Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 11
Pages: 1982
DOI
Peer Reviewed
-
-