2020 Fiscal Year Research-status Report
骨芽細胞分化能を指標とした骨代謝制御因子PRIPの阻害剤の探索
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20K21681
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 美穂 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (40291520)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 / PRIP / 阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
PRIP欠損の骨芽前駆細胞では、野生型より骨芽細胞分化能が高い。この性質を鑑みて、骨芽細胞分化マーカーであるAlkaline phosphatase(ALP)を利用して構築したスクリーニングシステムについて、分化能を検討した。培養マウス頭蓋冠由来細胞株MC3T3-E1において、ALP遺伝子の下流に蛍光タンパク質 Green Fluorescent Protein(GFP)の遺伝子を、自己切断ペプチド(P2A配列)とともに挿入したもの(ALP/GFP細胞)で、骨芽細胞への分化によってALPの発現と同時にGFPを発現するシステムであるが、この細胞に骨芽細胞への分化誘導を行なったところ、ALP染色を指標にした骨芽細胞分化程度がコントロールに比べてやや低かった。ALPの発現は低いがId1など他の骨芽細胞分化マーカー遺伝子の発現はさほど変わりないので、ある程度分化は進んでいるものと思われるが、P2A配列が影響しているのか挿入時に何か付加的に生じたのか何らかの影響が出ていると考えられる。ALP/GFP細胞クローン選別前の細胞ストックを用いて新しいクローンを選別して分化能を確認するとともに、P2A-GFP配列の挿入を再検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス 感染拡大により、時間短縮勤務や在宅勤務が増え大学への出勤自体がままならなくなり以前のペースで実験を行うことが困難となったため。また、研究以外の大学での業務(教育、会議等)が遠隔形式になるなどの変更があり、特に教育においてはそのために新たな準備が必要となりその対応に時間を費やさざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ALP/GFP細胞の新たなクローンをできるだけ多く選別しそれらについて分化能を検討し、より適したクローンを抽出する。もし、適したクローンが見出されなければ、P2A配列を変更するなど(例えばT2A)ALP/GFP細胞の作製から検討し、早急に適切なALP/GFP細胞を作製し、化合物のスクリーニングを開始する。
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Causes of Carryover |
今年度は、コロナ禍で時間短縮勤務や在宅勤務が増え大学への出勤自体がままならなくなり、また教育等の大学業務のコロナ対応に追われ、以前のペースで実験を行うことが困難となったため、計画通りに研究が進まず次年度使用額が生じた。 次年度はPRIPノックアウト細胞株の作製もあるので、追加の使用額を生かしてノックアウト細胞作製を専門業者への受託することで時間をセーブし、できるだけ遅れを取り戻しつつ計画を進めていきたい。
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