2021 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of stem cell functions in salivary glands
Project/Area Number |
20K21688
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 講師 (40710166)
行森 茜 昭和大学, 歯学部, 助教 (60813748)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 唾液腺老化 / scRNAseq |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の予備的検討により、マウス顎下腺細胞の分散方法が確立されたので、本年度は確立された細胞分散方法を用いて、老齢マウスから採取した顎下腺のscRNAseq解析を行った。すなわち、80週齢の雄性C57B/L6マウスから顎下腺を採取し、milteny gentleMACS Octo Dissociatorを使用し細胞を分散化した。次に10X Genomics Chromium Single Cell 3′ Libray & Gel Bead Kit v2システムを使用して、個別の細胞に対してゲルビーズエマルジョンを作製しcDNAの合成、精製、増幅を行い、最終的に増幅されたライブラリーをIllumina NextSeq 50を用いてシークエンス解析した。さらに、得られデータをCell Ranger(10X Genomics)で詳細に解析した。すなわち、tSNE解析により細胞をクラスターに分類し、既知のマーカー遺伝子、すなわち、幹細胞マーカ(胎生期);CK5, c-Kit, 筋上皮マーカー;Acta2, Myh11 基底細胞マーカー;Krt5,14、導管細胞マーカー; Krt7, 8, 18、腺房細胞マーカー; Aqp5の発現を参考に個別のクラスターを構成する細胞の細胞系譜を決定した。さらに、violin plotにより個別のクラスターにおける特異的遺伝子発現量が詳細に比較検討された。これらの解析結果により、tSNE解析において構成されるクラスターの大部分が上皮系の細胞集団より構成されていることが明らかとなった。一方、Acta2やMyh11陽性の筋上皮細胞分画が検出されず、構成されたクラスターに偏りが生じていることが明らかとなり、この原因について現在解析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、老齢マウスの唾液腺におけるscRNAseq解析が実施され、その解析結果が検討されているから。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回得られたscRNAseqのデータ解析をさらに進めるとともに、NIHのHoffman等の作製したscRNAseq結果と比較しデータの信頼性を検証する。必要があれば、再度同様のscRNAseq解析を実施し、データの再現性を検討するとともに偽時系列解析により細胞系譜図を作製する。さらに、細胞系譜解析結果より細胞分化の時系列を決定し、唾液腺幹細胞分画を同定する。同定された幹細胞分画における遺伝子発現を、老齢マウスと若齢マウスで比較検討することにより唾液腺幹細胞老化に関連する候補遺伝子を同定する。同定した遺伝子の機能を唾液オルガノイドにより解析する予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度実施すべきscRNAseq解析の一部(若齢マウスの唾液腺)が既に公共のdatabaseより入手可能である事が明らかとなり、当該データの利用により当初予定していた解析実験の一部をshort cutすることができたため次年度の使用額が生じた。生じた使用額は、本年度得られた老齢マウスのscRNAseq解析結果の再現性を確認する実験に利用する予定である。
|
Research Products
(5 results)