2023 Fiscal Year Annual Research Report
可視化された感情データの夫婦間共有による相互理解と乳児への応用
Project/Area Number |
20K21695
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 康香 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (10332941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川尻 舞衣子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70815852)
吉沢 豊予子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80281252)
笠原 好之 東北大学, 医学系研究科, 講師 (20511835)
相馬 深輝 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 准教授 (30753503)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 心拍同調 / 愛着 / 親役割 / 夫婦 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度着手した、親子の愛着形成ならびに愛着ケア法を評価するために、心電図および唾液オキシトシンと唾液コルチゾール濃度の経時的変化を観察し、ベビーマッサージによる親子の愛着形成の促進効果を調べる研究についての分析を行った。母親の平均年齢は33.6歳であり、母親の愛着を評価する尺度(MAI)については、ベビーマッサージ前よりも、後のほうが、合計得点およびその下位尺度であるかわいらしさ、関わりの確かさについて平均点が増加したが、有意ではなかった。一方子どもとともにいる嬉しさについてはベビーマッサージ後のほうが前よりも有意に高い得点となった(p<.001)。POMSについては、合計得点、抑うつ-落ち込み、友好がベビーマッサージ前よりも後の方が良い心理状態である傾向があり(p=.098, p=.083)、緊張-不安については有意な減少を認めた(p=.044)。児の睡眠については、昼間の睡眠時間がベビーマッサージ後の方が前と比較して有意に短くなった(p=.016)。母の唾液オキシトシンとコルチゾールに関してオキシトシンはストレス負荷により増加するため、オキシトシン値をコルチゾール値で補正し、ストレス変化に起因する変化を除外した状態で、オキシトシンの変化を分析した結果、ベビーマッサージ後の方が前よりも増加する傾向であった(p=.065)。自由記述には、子どもとともにいる嬉しさに関連する記載が認められた。 行動観察データについては、コーディングソフトを用いて、これまでの先行研究と新たな視点を組み合わせた包括的な行動観察データ指標を作成し、コーディングを行った。現在もコーディングしたデータを心拍データと合わせて分析中である。
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