2020 Fiscal Year Research-status Report
Psychosocial Impact of Cancer Gene Panel Test
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20K21742
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
内富 庸介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 部門長 (60243565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 由紀 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30587382)
藤森 麻衣子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (40450572)
小山 隆文 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (30828538)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | がん遺伝子検査パネル / 心理的影響 / うつ / 不安 / ソーシャルサポート / 患者-医師間コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
がん遺伝子パネル検査は標準治療が終了した進行期にあるがん患者のみが対象となり、医療への期待は極めて大きい一方で、治療につながる可能性は全体の10%程度と低く、想定外の遺伝性腫瘍が新たに見出されることもあり心理的影響は量り知れない。実施機関は限定されるため受診にアクセス制限があり、ソーシャルサポートなど患者の社会的要因によっても差が生まれうる。また医療者の情報の伝え方も重要な関連要因となる。がん遺伝子パネル検査が心理社会的側面に与える影響や関連要因に関する研究は未だ検討されていない。そこで本実態調査ではこれらの実態を明らかにし、新たな支援・指針を得るための基礎資料とすることを目的とした縦断調査を実施する。国立がん研究センター中央病院でがん遺伝子パネル検査を予定しているものを対象とする。国立がん研究センターにおいて倫理審査を受け承認が得られたのち調査を実施する。がん遺伝子パネル検査前、検査結果が伝えられた後、3か月後、6か月後に質問票への回答を求める。評価項目は、抑うつ(PHQ-9)、不安(GAD-7)、QOL(EORTC QLQ-C30)、症状(ESAS-r-J)、ソーシャルサポート、検査の説明を行う医師のコミュニケーションの質、検査の理解度、社会学的背景(年齢、性別、家族構成、教育年数、婚姻状況、雇用状況)、医学的背景(検査結果、確定診断からの期間、がんの部位、病期、治療歴、身体活動度)である。得られたデータについて抑うつ、不安、QOL得点は記述統計量を示す。また抑うつ、不安の有症率を算出する。さらに抑うつ、不安、QOLを目的変数、検査結果、ソーシャルサポート、医師のコミュニケーションの質、背景要因を説明変数とする多変量解析を行い、関連要因を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究班にて研究計画書を作成し、国立がん研究センターにおいて倫理審査を経て、承認を得たのち、国立がん研究センター中央病院での調査を開始し、症例を集積している。対象は、がん遺伝子パネル検査を予定しているものであり、口頭と書面でのインフォームド・コンセントの後、がん遺伝子パネル検査前、検査結果が伝えられた後、3か月後、6か月後に質問票への回答を求める。評価項目は、抑うつ(PHQ-9)、不安(GAD-7)、QOL(EORTC QLQ-C30)、症状(ESAS-r-J)、ソーシャルサポート、検査の説明を行う医師のコミュニケーションの質、検査の理解度、社会学的背景(年齢、性別、家族構成、教育年数、婚姻状況、雇用状況)、医学的背景(検査結果、確定診断からの期間、がんの部位、病期、治療歴、身体活動度)である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究班内の会議を研究計画立案、調査準備期間、症例集積開始後は毎週実施した。現在は、隔週実施している。また症例集積開始後から各診療科に対して症例集積状況報告を毎月行っている。さらに症例集積を推進するために各診療科の医師を対象として研究概要、症例集積状況報告、質疑等に関する中間報告会を実施する。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言、コロナウィルス対応等に伴い、研究実施、調査開始が延期されたことから調査者の人件費等の使用に遅れが生じた。症例集積期間を延長したことに伴い、次年度に人件費等の使用を予定している。
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