2021 Fiscal Year Research-status Report
常在細菌叢の機能理解に向けた疾患関連細菌叢アトラスの創出
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20K21832
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島村 徹平 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00623943)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | メタゲノム / マルチオミクス解析 / ベイズモデリング / 深層生成モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今、常在細菌叢の全容解明に向けたメタゲノム研究が世界規模で盛んに行われているが、膨大な数に上る常在細菌叢の疾患への作用機構の全貌は未だに見えない。本研究課題では、最先端のオミクス計測技術とベイズ推論による最新の解析技術を駆使し、様々な疾患の原因となる細菌叢を効率的に探索するための「疾患関連細菌叢アトラス」を創出する。本研究で行うユニークなモデリング技術の開発とそれによる斬新なデータベースの構築により、細菌叢の大海原で研究者が遭難しないように「予測地図」を提供することが主たる目的である。2021年度は以下のような進展があった。1)疾病による常在細菌叢ダイナミクスを記述するベイズモデリング技術の開発:2021年度に開発したベイズ因子分解モデルを深層生成モデルの枠組みで拡張し、シミュレーションデータおよび実データで有用性を検証した。2)解析結果をまとめたデータベースの構築と解析ツール群の開発:2020年度に開発したベイズ因子分解モデル(BALSAMICO)を大規模疾患関連コホート研究に適用できるように、スパコン上で並列化し、解析できるパイプラインを構築し、シミュレーションデータおよび実データで有用性を検証した。また、解析した結果をデータベース化するとともに、公共データベースに登録されたデータや研究協力者から提供されたデータを更新した。さらに、モデルの推定精度・限界を探るとともに、次年度拡張すべきコンポーネントを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、本研究課題の推進に必要なモデリング技術を開発し、シミュレーションデータおよび実データで有用性を検証するとともに、大規模コホート解析に必要な解析ツールを開発することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、モデリング技術の開発をすすめるとともに、常在細菌叢がもたらす疾病の発症機序の解明を進める。
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