2022 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体技術によるマイクロ&ナノプラスチック濃縮回収への挑戦
Project/Area Number |
20K21863
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
秋山 佳丈 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (80585878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 洋 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (30321938)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / 音響泳動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナノサイズを含むマイクロプラスチック濃縮回収技術確立に向けて、音響泳動による連続分離濃縮機構の開発およびペクチンによるナノサイズのマイクロプラスチック凝集沈殿法開発を行った。最終年度は、昨年度開発した4連続音響分離による高濃度濃縮デバイスの詳細な特性評価を行った。まず、直径5マイクロメートル から200マイクロメートルのサイズの異なるプラスチック粒子懸濁液の濃縮回収実験を個別に行った。その結果、直径10マイクロメートル以上の粒子は、圧電素子への印加電圧を最適化することで90%を越える回収率で濃縮回収することができた。一方、直径5 マイクロメートルの粒子は、電圧を35 Vまで上げたものの十分な音響収束が得られず、回収率は10 %と十分に濃縮回収できているとは言えなかった。以上から、本デバイスは、直径10 マイクロメートルから200マイクロメートルのプラスチック粒子を濃縮回収できることが示された。そして、環境中のサンプルを模した実験として、直径が25、50および 200 マイクロメートルの粒子からなる微小マイクロプラスチック懸濁液と、直径が10、15および25マイクロメートルの粒子からなる超微小マイクロプラスチック懸濁液を作製し、本デバイスで濃縮回収を行った。その結果を、微小マイクロプラスチック懸濁液については、全粒子について80 %を越える回収率が得られた。また、超微小マイクロプラスチック懸濁液においては、直径10 マイクロメートル粒子においてのみ回収率が70 %程度低下してしまったが、それ以外は80 %以上の回収率が得られた。今後は、流量も含めて圧電素子の駆動電圧を最適化することで、回収率の向上を図りたい。
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