2020 Fiscal Year Research-status Report
Islam, Social Movements and ICT in Educational Institutions -Cases from Asia and Africa-
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20K22170
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
阿毛 香絵 京都精華大学, 国際文化学部, 講師 (90876351)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 文献調査 / オンライン聞き取り調査 / オンライン勉強会 / 国内インタビュー調査 / 映像人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響をうけ、当初予定していたフィールド調査の実施が困難であったため、文献調査・オンライン上での調査および可能な範囲でオンラインを利用した聞き取り調査や、勉強会を実施した。 1 文献調査・オンライン上での調査 国内外で出版された関連書籍に加え、本研究のテーマであるイスラーム系の団体や教育機関、ムスリムメディアの運営しているウェブサイトやメディア媒体を中心に調査を進めている。例えば、セネガルのティジャーニア教団の集団であるメディア媒体ART(Asfiyahi.Org) では、宗教家を招いた座談会やディスカッションを行う番組がFacebookライブなどのオンラインで運営されており、日本からも視聴可能であるため調査対象として参与観察を行っている。 2 オンラインインタビュー・国内でのインタビュー 特に、日本国内におけるヤングムスリムに関する調査について、研究協力者である慶應義塾大学の野中葉氏の協力を得て、何度か若いイスラーム教徒の学生にヒアリングを行ったほか、京都市内において在日ムスリムの留学生を対象としたインタビュー調査を行った。 3 オンライン勉強会 …上記のオンラインインタビューに加え、研究者同士の勉強会や研究会の機会を数回設けた。特に国内の若いムスリムを対象とした研究については、大学院生や交流活動に従事している若い人を招いて何度か勉強会を行い、コロナの現状でフィールド調査がなかなか進められない現状を踏まえ、映像資料やオンラインインタビューを利用した映像制作を同時に進めつつに研究を続けている。こうした勉強会は日本だけでなく海外の研究者とも実施した。今後オンラインのインタビュー映像や勉強会の映像記録などの映像資料を研究にどのように生かすかについても検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響を受けて、予定していた2020年12月のアフリカおよびアジアでのフィールド調査の実施が不可能となったために、当初の計画から変更があった。文献調査、インターネット上での調査および国内中心の聞き取り調査に切り替え、国内のコミュニティーに焦点をあてた調査を継続している。実際現地における宗教メディアに対する聞き取り調査や、利用者の動態調査などは現在実施できていないため、今年度の実地調査もしくはオンラインインタビューなどの可能性を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
またアジア、アフリカ地域に渡航が可能になった際には、研究計画書で予定されているインドネシアやセネガル、コートジボワールなどにおける調査も実行予定である。 また、今年度の実地調査の実施が困難な場合を想定し、どこまでオンラインによる調査やインタビューが可能かについても検討しており、以下三点の目標を定め今年度の調査を予定している。 1 国内におけるイスラームコミュニティーに焦点を当てた調査…国内、特に関西圏におけるイスラームのコミュニティーにおけるITC利用などにより多く重点をおけ調査を継続する。 2 オンラインコンテンツの分析とネットグラフィー 西アフリカやアジアにおいてイスラーム系のメディア媒体や教育機関が提供しているオンラインのコンテンツの内容に関してより詳しい調査を行う。国内にいる協力者などにも協力を仰ぎながらそれぞれの地域におけるイスラームコミュニティーのICT利用や教育への影響について調査する 3 オンライン調査および現地の研究協力者との協同によるフィールド調査の継続 現地での情報収集が困難となった場合には、現地における研究協力者との協同やオンラインでのインタビュー、勉強会などを通じてできる限り情報収集や、新たな分析方法などの検討を試みる。
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Causes of Carryover |
フィールド調査費用や謝礼などが必要な移動を伴う勉強会やフィールド調査が実施不可能であったため、2021年に繰り越しを行った。
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Remarks |
京都精華大学萌芽的研究助成(学内研究助成)による国際共同研究。本研究(スタート支援)の研究成果の発表機会や、その他の研究者からの研究発表の機会とし、研究の展開についての学術交流を目的に定期的に勉強会を開催。テーマはスタート支援の個人研究よりより広いテーマ設定であり、本研究がイスラームに着目しているのに対し、その他の研究者の着目する宗教的な実態は様々である(伝統宗教、新興宗教、スピリチュアリティ)。
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