2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on cancellation problems for higher dimensional affine varieties
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20K22317
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
長峰 孝典 小山工業高等専門学校, 一般科, 助教 (10882516)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 消去問題 / アフィン代数多様体 / 次数構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, アフィン代数多様体における「消去問題」に取り組む. 消去問題とは X×A^1=Y×A^1をみたすとき X=Y となるかを問う問題である. ここで A^1 はアフィン直線を意味する. この問題には既に反例が構成されており一般には成立しない. 本研究では消去問題が成立するための条件を明らかにし, 応用に適した理論を構築する. 特に, 元の消去問題を一般化して X×A^n=Y×A^n をみたすとき X=Y が成り立つアフィン代数多様体の同型類を明らかにする. ここで A^n は n 次元アフィン空間を意味する. そのために消去問題の成立条件が記述できる新しい不変量を構成する. その不変量は, 既存のMakar-Limanov不変量と, 申請者がこれまでのこれまでの研究で構成した不変量を改良して構成する. そのために, アフィン代数多様体の座標環上に定まる次数構造に着目した手法を用いる. 今年度は座標環上の次数由来の不変量を, 曲線 (1次元) の場合や曲面 (2次元) で計算した. これにより, 次数由来の不変量で消去可能性が判定可能なものと, そうでないものの具体例を得ることができた. 特に, 対数的小平次元による代数多様体の分類と状況が異なることが確認でき, 今後の研究の方向性を見つけることができた. これについては, まだ論文にするには至っていない. また, 本研究の主対象であるUFDについて, いくつかの新しい判定方法を構成してまとめたものを, 学術雑誌へ投稿し査読中の段階である. これについては, プレプリントサーバーのarXiv (arXiv:2102.06642) にて公表している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、参加を予定していた全ての学会・シンポジウム・研究集会等が延期、中止、オンライン開催となった。特に、本研究に必要な集会のほとんんどが延期または中止となったことから、本来予定していた情報収集や研究打ち合わせが十分に行えなかった。海外にいる研究者との打ち合わせがほとんど行えず、共同で行なっている研究の進捗が特に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた具体例を元に, 研究を進めていく. 特に, 代数曲線や代数曲面の分類結果を参考にし, 既に得られている次数由来の不変量の有効性を確かめる.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、参加を予定していた全ての学会・シンポジウム・研究集会等が延期、中止、オンライン開催となった。そのため国内旅費および国外旅費が不要となったため次年度使用額が生じた。新型コロナウイルス感染症の蔓延状況にもよるが、国内旅費および国外旅費として次年度に使用する予定である。
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