2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on cancellation problems for higher dimensional affine varieties
Project/Area Number |
20K22317
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
長峰 孝典 小山工業高等専門学校, 一般科, 助教 (10882516)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | UFD / 次数付環 / 消去問題 / アフィン代数多様体 / 局所冪零導分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではアフィン代数多様体における消去問題に取り組んでいる。特に、消去問題を考える際に重要なアフィン代数多様体の座標環はUFD (一意分解整域) となるため、本年度はUFDに着目し研究を行った。本年度当初の目標は「体上有限個の関係式で定義される (可換) 環がUFDであることを示すための条件を構成すること」であった。これについては論文出版に至る結果を得ることができた。結果の概要は以下の通りである。 [結果の概要] 1964年にサミュエルが与えたUFD判定 (与えられた環がUFDであることを示すための条件) が適応できる環は限られており、本研究に利用するには不十分であった。そこで我々はサミュエルによる判定方法を一般化し、新しい判定方法を構成した。特に環AがUFDであるとき、以下の環がUFDとなるための条件を与えた。 (i) A[x]/(ax-b) (ii) A[x]/(x^n-F) で次数付環の構造をもつ これらがサミュエルの判定方法の一般化となっている。我々はさらに4種類の判定方法を与え、あわせて6種類のUFD判定を構成した。それらの応用として以下の4つを行った。 1) 次元3のネーター的UFD構成とその生成元の最小個数の決定、2) 次元3のネーター的ではないUFDの構成、3) 3項式で定義されるUFDの構成、4) ブルバキの演習問題の反例の構成。 特に、1) で現れるUFDは、4変数多項式環上のある局所冪零導分の核として現れる環に一致する。その生成元の最小個数を決定したことで、任意の個数の元で生成される核を持つ局所冪零導分の存在が明らかになった。3) の3項式で定義されるUFDは、複雑性が1であるトーラスの作用を持つアフィン代数多様体の座標環となっており、幾何学的にも意味があるものである。4) で構成した例は次元4のネーター的ではないUFDである。
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