2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel microstructure culture substrate using in-vivo matrix processing method
Project/Area Number |
20K22489
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
佐藤 康史 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30767778)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 臓器チップ / 生体内組織工学 / in vitro評価系 / 微細培養基板 |
Outline of Annual Research Achievements |
微細構造を有する培養基板上に臓器細胞を配置し、人体の臓器機能を生体外で再現する“臓器チップ”は、動物実験に代わる次世代の薬効・毒性の評価ツールとして注目されている。本研究では従来のプラスティック培養基板よりも高精度な創薬評価試験が可能な臓器チップの実現を目指し、体内をバイオリアクターとして利用する「生体内組織工学」を用いて、微細構造を有する生体組織体を開発し、培養基板としての有用性を示すことを目的とする。 微細構造を有する組織体作製のため、スリット構造やウエル構造を有する組織形成用の鋳型を3Dプリンターを用いて作製した。鋳型をラット背部皮下に約1か月埋入することにより、鋳型内部が組織で満たされ、鋳型形状に応じた生体組織体を得ることができた。鋳型の設計通りに、ミリメートオーダーの精度で生体組織体を作製可能であり、1mm幅のスリット構造や、直径5mmの窪みを有するマルチウエル構造の組織体を作製可能であった。組織学分析において、これまでの研究と同様にコラーゲンを主成分とする組織であり、表面は非常に滑らかな組織体であることを明らかにした。 また、評価用の細胞として、骨髄および脂肪から幹細胞、末梢血から血球細胞の分離条件を決定した。今後、これらの細胞を用いて、作製した生体組織由来培養基板の評価を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微細構造をもつ生体組織体の作製のため、3Dプリンターを用いて組織形成用の鋳型を作製した。組織形成用の鋳型をラット背部皮下に約1か月埋入することにより、組織体を得ることができた。鋳型設計によりミリメートオーダーの精度で、スリットやウエルプレート様の組織体を作製することができた。組織体の回収・保存時に若干の収縮が起こるが、鋳型の設計改良で対応可能であると考えている。 また、骨髄、脂肪、末梢血から評価用の細胞の分離条件を決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は作製した薄膜生体組織体と培養細胞を用いることで、臓器チップ構造体の作製を進める。組織体上に細胞を播種・培養を行い、組織学および細胞機能評価を実施し、体内の器官構造および機能を再現する構造体の作製に挑戦する。 また、スループット性向上のため、より細かなマイクロメートルオーダーの微細構造をもつ生体組織培養基板の作製を検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において、学会の中止やオンライン開催により出張機会が減り、旅費に関する支出が減ったため、未使用額が生じた。 次年度に血清や抗体などの高額試薬の購入する必要があるため、次年度の予算に合わせて使用する予定である。
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