2022 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能を活用した農用車両の事故リスクアラートシステムの開発
Project/Area Number |
20K22579
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
青柳 悠也 琉球大学, 農学部, 助教 (20882195)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 人工知能 / リスク評価 / 農用車両 / トラクタ事故 / コンバイン事故 / 田植機事故 / 挙動シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,農用車両のオペレータが,多様な条件下において事故防止のための適切な走行条件の選択を支援するA.I.の構築を目指している。本A.I.は,事故に係る機械・環境・人の情報から,総合的に事故のリスクを判断し,事故の危険性が高い場合のアラートや,事故回避条件の提示に応用可能な仕様を目指す。 2022年度の実績としては,人工知能により自律車両による障害物検知および障害物回避が可能な自律走行アルゴリズムを開発した。シミュレータを用いて検証を行ったところ,本アルゴリズムにより,障害物のある設定ルートを安全に走行できることが示唆された。また,障害物が起因しない事故のうち,脱輪による転倒事故についてシミュレーションを用いてその発生要因を解析した。その結果,傾斜角度や,脱輪時の道路外への進入角度,走行速度による影響が明らかになり,機械的な特性により転倒の閾値も異なることが示された。 2020・2021年度の業績としては,トラクタ事故とコンバイン事故の発生要因を整理して,事故発生のリスクを定量化し,比較・分析することで危険度の高い事故要因と事故事例のリスクを明らかにしたこと,農用車両の挙動モデルの改良および立案を行ったこと,コンバインおよび田植機モデルでは旋回時の転倒挙動を握可能なモデルを立案し,その機械的な特性が旋回時の不安定性の原因となっていることを特定し,トラクタモデルでは事故の危険性が高い15°を超える急傾斜地において転倒リスクをより正確に評価可能となったことが挙げられる。 以上から,人工知能を活用し,特定の事例については効果的な対策となるアルゴリズムが開発可能であったが,あらゆる場面に対応可能な万能型の人工知能モデル構築には,更なるリスク評価の蓄積が必要である。今後も様々な事例について様々な条件の組合せの検証を行い,汎用性の高いA.I.モデル構築を継続していく。
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