2021 Fiscal Year Annual Research Report
リソソームプロテアーゼ欠損に基づくオートファジー新規役割の解析
Project/Area Number |
20K22744
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山口 隼司 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (30875282)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | リソソーム / カテプシンD / オートファジー / p62 / Atg7 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、神経性セロイドリポフスチン症(NCL)のモデルマウスであるカテプシンD(CTSD)欠損マウスの脳内で蓄積する異常リソソームとオートファジーとの関連について解析を進めている。初年度は、選択的オートファジーに関与するp62やNBR1が、CTSD欠損条件下でもオートファジー/リソソーム経路を介して正常に分解されることを示した。また、神経細胞内に蓄積するp62やNBR1は、主にリソソーム様構造物の表面近傍に集積することを明らかにした。これらの結果は、p62やNBR1が単純な分解障害により蓄積するのではなく、何らかの役割をもって蓄積することを示唆している。実際、一部の異常リソソームはオートファゴソーム様二重膜によって取り囲まれており、セロイドリポフスチンを含む異常リソソームが選択的オートファジーの標的となる可能性が考えられた。 これを実証するため、今年度は神経系特異的CTSD/Atg7両欠損マウスを作成して解析を加えた。CTSD単独欠損マウスと同様にCTSD/Atg7両欠損マウスの神経細胞内でも、異常リソソームや、その表面近傍にp62、NBR1の蓄積は認められた。これまでに解析した結果から、単独欠損マウスと比較して蓄積する異常リソソームのサイズや頻度に大きな差はなかった。一方で、単独欠損マウスと異なり、二重膜により取り囲まれた異常リソソームは認められず、この結果は、異常リソソームがp62やNBR1を介した選択的オートファジーにより処理されるという仮説を支持する。現在、中枢神経系特異的CTSD単独欠損マウスの脳内で生じる変化については論文投稿中であり、CTSD/Atg7両欠損マウスを含めた解析については研究成果をまとめ、論文を作成中である。
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Research Products
(4 results)