Development of antibacterial sonodynamic therapy for periodontal disease

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K23089
• Research Institution: Health Sciences University of Hokkaido
• Principal Investigator: 蔀 佳奈子 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (70881449)
• Project Period (FY): 2020-09-11 – 2022-03-31
• Keywords: 口腔内細菌 / SDT

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は，歯周病治療のため超音波スケーラーと金ナノクラスターを用いた抗菌的SDTの確立である．現在の歯周病治療では歯石やバイオフィルム除去に超音波スケーラーが頻用されているが，その目的は機械的除去であり，それ自体に殺菌効果はない．超音波スケーラーと音増感剤と併用したSDTでは，機械的なバイオフィルム破壊と同時に細菌を殺菌することができる．そのため従来の超音波スケーラーのみの治療と比較し，より高い治療効果が期待される．
2020年度は超音波スケーラーの購入が遅れ年度末になってしまったために，超音波治療装置を用いた予備実験を行った．超音波治療用装置（US PRO 2000 2nd EDITION）をディッシュ底部から照射しマイクロバブルが発生することを確認．これによる抗菌効果の検討を濁度測定により行った．抗菌活性評価にはStreptococcus mutansを用いた．S mutansは歯周病原細菌ではないがスクリーニングを目的として実施した．本実験において使用した超音波治療用装置はその形状から歯周病治療への応用は難しい．しかしながら，歯科用超音波スケーラーよりも周波数の低い超音波治療用装置においてもある程度の抗菌活性が得られたことで，今後の高周波数での実験における高効率の一重項酸素の生成と抗菌活性が期待される．本年度は従来の金ナノクラスターを使用した抗菌活性評価にとどまったが，今後はより高効率に一重項酸素を生成する金属ナノクラスターの開発も併せて遂行していく．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

感染症蔓延による勤務実態の変更等により当初の予定通りの研究時間の確保が困難であった。また、研究材料や機器の納期が遅れたことにより研究環境の整備が遅れてしまった。

Strategy for Future Research Activity

研究実施計画書に記載した
①歯周病に対するSDTに適した音増感剤の開発
②超音波スケーラーを用いたSDTの殺菌効果の検証（生体外実験，in vitro）
を軸に研究を進めin vitro実験で多種の口腔内細菌における効果を検証する．口腔内細菌にはグラム陽性菌，陰性菌，桿菌，黒色色素産生菌等多種の細菌が存在する．多様な菌種で抗菌効果を検証することで今後の臨床応用のポイントが絞られ具体化されると考える．
さらに，in vitroで得られた結果を踏まえてin vivoでの評価の実施へ発展させる．

Causes of Carryover

感染拡大により出張業務がなくなり旅費の支出が0であった．研究遂行に必要な物品の購入が遅れその他の消耗品等の購入を控えていた．次年度においては，当該年度に購入しなかった消耗品の追加購入を予定している．