2020 Fiscal Year Research-status Report
交通空白地域における高齢者のMaaS活用によるフレイル予防
Project/Area Number |
20K23139
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
米田 政葉 北海道医療大学, 先端研究推進センター, 特別研究員 (60885515)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
Keywords | MaaS / フレイル予防 / 高齢者福祉 / 介護予防 / 地域福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、我が国では高齢化社会の急進に伴うフレイル増加が深刻な社会問題となっており、その対策は喫緊の課題である。フレイル発生に関連する主な要因は、外出頻度の低さである。公共交通の不便な地域では高齢者の外出が抑制されると指摘されていることから、郊外や山間部を中心とした交通空白地帯でフレイルが多数発生することが懸念される。このことから近年、Information and Communication Technology(情報通信技術、以下ICT)を活用し公共交通を一元管理し提供する新たな交通システムMobility as a Service(以下、MaaS)が注目されている。しかし、これの活用にあたり必須となる高齢者のICT機器利用実態に関する詳細なエビデンスは乏しい。さらに、フレイル発生予防に向けたMaaS利用についての研究は皆無である そこで本研究では、高齢者の健康とICT・公共交通利用状況の関連の検討を通じ、交通空白地域であっても高齢者がいきいきと生活できるためのMobility as a Service(MaaS)活用に基づくフレイル予防策を示すことを目的として設定した。 研究初年度は、交通空白地域に住む高齢者を対象として、フレイル発生状況・ICT利用状況・公共交通利用状況調査を実施した。 調査結果を基にICT機器の利用状況および社会参加の状況が健康状態与える影響にに関する実証的研究を実施した。その結果、ICT機器を利用していること、経済状況が良好であることが高齢者の健康状態を高める可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は、実態調査とそれを基にした高齢者の健康増進に向けた要因の分析を実施した。これはおおむね研究計画通りであり、研究は順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、実態調査を基に、MaaS活用によるフレイル予防策の構築を計画している
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行の影響により各種学会の開催が中止あるいはオンライン化され、旅費・学会参加費が不要であった。また、当初購入予定であった統計解析ソフトの購入費が少なく済んだため次年度使用額が生じた。 国内外の学会参加費、謝金、英語論文校正費用として支出する予定である。
|