2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an in-bed exercise program to prevent postoperative complications that can be performed immediately post-operation
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20K23169
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
亀田 典宏 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (40881454)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 術後管理 / 周術期看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、術直後より離床が開始されるまでの期間に安静臥床のままベッド上にて行える合併症予防エクササイズとして、文献検討による学術的根拠及び専門家からの意見聴取により、①手指の掌握運動、②下肢の能動的な運動、③下肢体幹運動、により、末梢循環の改善による手術部位感染予防、下肢静脈還流の増加による下肢静脈血栓症予防、腸管蠕動運動の亢進による腸閉塞予防に効果が期待できることを明らかとした。 臨床研究に向けた事前研究として、健常成人を対象に、考案したエクササイズを実践し、還流指標やバイタルサインの変化などの客観的データより、有用性を検証した。10名を対象とした調査により(平均年齢70.3±5.9、男女各5名)、エクササイズ実施前後の比較を行うと、上肢の末梢灌流が1.8±0.9から2.7±1.1となり(0<0.01)、またその変化はエクササイズ実施後10分間持続していた。エクササイズ実施前後の収縮期血圧は132.5±12.4mmHgから126.6±16.4mmHg(0<0.01)へと低下しその変化は20分間続き、脈拍は63.5±3.2回/分から71.4±2.3回/分(0<0.01)へと増加しその変化は5分間継続した。また、呼吸数は14.3±3.3回/分から14.3±3.3回/分と差はなく(p=0.49)、動脈血酸素飽和度は99.2±1.1から98.9±0.9と差はみられなかった(p=0.34)。循環動態に変化はみられたが運動による一過性の反応であり、呼吸動態に対する変化はみられなかった。 この検証結果は術後合併症発生率を主要評価項目とした研究に発展させるために必要なデータを確認でき、術後合併症発生率低減に向けた取り組への発展が期待できる。介入の開始時期を術直後とした合併症予防エクササイズプログラムの開発に向けて、これまでの運動療法開始時期の概念を一新するべく、継続して取り組んでいく。
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