2020 Fiscal Year Research-status Report
血液中遺伝子変異情報に基づく相同組み換え欠損の新規モデル開発
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20K23183
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
渡辺 智子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 遺伝カウンセラー (10773187)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 相同組換え欠損 / 乳がん / 遺伝医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血液中の遺伝子変異情報と病理診断に基づく、採血による新規相同組換え欠損(HRD)予測モデルの開発を目標としている。従来のHRDスコア測定には腫瘍組織の網羅的遺伝子解析が必要であり、臨床現場に導入可能なより簡便な測定方法が求められる。申請者らはこれまでに乳がんにおけるHRDをわずか4つの遺伝子変異・病理学的特徴の組み合わせで推定できること示してきた。シンプルな予測モデルのため、遺伝子変異情報は全て血液中のゲノムDNAもしくはセルフリーDNAにて測定可能と考える。本年度は、セルフリーDNA解析にて血漿中の腫瘍由来遺伝子変異情報を測定するための準備を進めた。セルフリーDNA測定パネルの感度・特異度・検出限界等を比較・検討し、本研究の解析に用いる測定パネルを確定した。また、予測モデルの精度向上を目的として、既取得の乳がんの公開大規模遺伝子データを用いた機械学習ElasticNetによるHRD予測モデル因子の再検証を行った。予測モデルの追加候補因子となりうる遺伝子としてPALB2遺伝子変異が抽出された。PALB2遺伝子変異とHRDとの関連は先行研究(Polak et al, Nat Genet. 2017)でも報告されている。PALB2変異例は1%未満と低頻度であったが、HRD予測モデルに加えることで精度が改善する可能性が示唆された。さらに、遺伝医療についての意識調査を進めるべく、質問紙の先行研究調査を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
セルフリーDNA測定法の感度・特異度・検出限界等について比較・検討した後、最も感度が高いと考えられる測定方法について現在契約締結に向けた協議を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
セルフリーDNA解析にて、血漿中の腫瘍由来遺伝子変異情報を取得する。その後、既取得の腫瘍組織の遺伝子変異と血漿中の腫瘍由来遺伝子変異の一致率を検証予定である。
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Causes of Carryover |
現在セルフリーDNA解析についての契約協議中であるため、その解析に計上していた予算が次年度使用となった。解析が可能となり次第、当初の計画通りに使用予定である。
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Research Products
(1 results)