2021 Fiscal Year Research-status Report
イップスの心理的維持要因に対する新たな治療方法の提案
Project/Area Number |
20K23267
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井上 和哉 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (60880383)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | イップス / アクセプタンス&コミットメント・セラピー / 認知行動療法 / 野球 / 体験の回避 / 認知的フュージョン / 価値 / スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は研究1の調査研究を実施した。全国の中学生から社会人の野球経験者292名(平均年齢=23.15, SD=7.53)を対象に調査を実施した。研究目的は、Acceptance and Commitment Therapyにおけるプロセス変数(体験の回避、認知的フュージョン、価値)と社会的な要因が、イップスの維持に与える影響を検討することであった。本研究の結果、送球ミスをしないでおこうとする考えの強さ、認知的フュージョンの強さ、監督およびチームメイトからミスを責められる程度がイップス症状を強めていることが明らかとなった。本研究結果について国際学会におけるポスター発表を行った。
実績 Inoue, K., Yamada, T., & Ohtsuki, T. (2022). Examining the Factors of the Yips in Baseball: From the Perspective of Psychological Flexibility and Social Factor. ACBS World Conference, June 14-19.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は研究1として計画をしていた調査研究を終えることができ、現在、国際誌への投稿準備もほとんど終えることができた。2022年度については研究2のイップスを抱える者に対する介入研究(シングルケースデザイン)を実施する予定であったが、研究を進めるにあたり、イップスの生起・維持メカニズムに関する質的研究を先に行う方が良いと考えたため、2022年度はイップスを抱える者に対するインタビュー調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はイップスを抱える者に対するインタビュー調査を行う。2022年度の6月に倫理を提出し、8月~9月にインタビュー調査を終え、10月~11月にデータをまとめ、12月には国際誌に投稿できるように準備を行う。
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Causes of Carryover |
当初、購入を予定していた球速、球の回転数などを測定する測定器具(約75万円)を購入せずに研究を進めることを決定したため、当該助成金が生じた。2022年度は残りの予算を使用し、最後の研究を十分に実施することが可能であると考えている。
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