2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K23301
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
遠藤 華英 同志社大学, スポーツ健康科学部, 助教 (70876193)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 開発と平和のためのスポーツ / スポーツを通じた開発 / スポーツを通じた国際協力 / アスリート / 発展途上国 / スポーツ政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発展途上国のアスリートを公的に支援するというスポーツを通じた国際協力事業に対して抱く国民の評価の可視化、評価に影響を与える要因の特定ならびに評価の形成メカニズムを明らかにすることを目的とする。 2021年度は、昨年度に続き,調査に用いる理論的枠組みとする態度モデル,見えない財・サービスを可視化する手法である仮想市場法を用いた調査およびアスリートのアドボカシー活動に対する国民の評価に関する学術研究のレビューを進めた。その結果,スポーツを通じた国際協力事業自体への認知,国民自身が関わる社会問題ならびに社会問題とアスリートの親和性が評価に大きく影響を与えることが分かった。 本研究が対象とするスポーツを通じた国際協力事業への国民全体の認知は低く,評価する対象について十分知識や経験を有していない可能性が高い.この結果を踏まえ、自治体としてスポーツを通じた国際協力事業に積極的に取組み,かつ住民と途上国出身アスリートの交流事業も盛んに行う自治体を対象として、事業に関わった市民ボランティアなどに面接調査をすることとした調査は東京2020オリンピック・パラリンピックホストタウン事業においてA国選手の長期キャンプを受入れていたB市において実施した。その結果、概ね市民は途上国選手の受入れに対して好意的に受け入れつつも、事業に対する評価はスポーツに対する愛好や国際協力に関する意識、対象国に対する印象や知識によって影響を受けることが分かった。さらに、スポーツによる国際協力が相手国にとってどのような成果につながるのか等、スポーツという短期で計測できる成果指標が少ないスポーツならではの特殊性に対する疑問が事業全体に対する評価に影響する傾向もみられた。今後は、面接調査において収集したデータを基に精緻な分析を行い、その結果を基にWEB調査の質問紙を作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自治体における面接調査およびフィールドワークの実施を初年度に予定していたが新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、実施時期が定められず研究計画の遂行が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
B市の担当者ならびに住民に対して、行ったスポーツを通じた国際協力事業に対する評価に関する調査結果を踏まえ、ウェブ調査を行う。面接調査に引き続き、スポーツ国際協力事業を認知していることが評価に大きく影響するため、対象自治体も引き続きB市とする。 以上のプロセスを経て、スポーツを通じた国際協力事業に対する評価、そして評価に影響を与える要因の特定、さらに評価の形成メカニズムを明らかにする
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染蔓延により予定していた面接調査の実施時期が後倒しとなり、ウェブ調査を実施できなかった.よってウェブ調査に係る予算を次年度に繰り越すこととした.当該年度分の繰越予算および次年度を合算し,対象地域住民を対象としたウェブ調査費用に充当する。
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