2020 Fiscal Year Research-status Report
The Japanese Database of Populism Studies: New Insights and Contributions
Project/Area Number |
20KK0026
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
日野 愛郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30457816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 賢 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10567390)
MCELWAIN KENNETH 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (80768896)
FAHEY ROBERT・ANDREW 早稲田大学, 政治経済学術院, 研究助手 (10844516)
劉 凌 早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (80844521)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | ポピュリズム / 内容分析 / ソーシャルメディア / 世論調査 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本におけるポピュリズムの事例や研究を踏まえて、国際比較が可能となる基礎データを構築し、日本独自の視点を提起することである。ポピュリズムの国際比較研究プロジェクトにおいて空白国となっている日本の基礎データを構築して広く公共財として提供すると同時に、他国と比較してなぜ日本においてポピュリズムが不在(と言われる)かという問いに一定の答えを提示することを試みるものである。ポピュリズム研究の第一人者であるCas Mudde氏と協働しながら、日本型ポピュリズムの独自の視点を提起するとともに、政治家・政党のメッセージの内容分析やソーシャル・メディアのテキスト分析の統合データを国際基準に準拠・発展させて整備することを目指す。具体的には、Team PopulismによるGlobal Populism Databaseの基準に準拠しつつ、独自の分析対象・枠組みを追加する。Team Populismが分析の対象とする首相や大統領の選挙キャンペーンの演説、フォーマルな式辞、国際舞台における外交演説、その政治家の代名詞的な有名な演説に加え、本研究は野党も含めた全ての党首の言説を収集・コーディングし、ポピュリズムをめぐる政党間競争の分析を可能にする。Team Populismのコーディングスキームは、Cas Mudde氏のポピュリズムの定義が忠実に反映され、反エリート主義、人民中心主義、善悪二元論といった要素が含まれているが、本研究は、エリートの種類にマス・メディア、官僚・公務員、アカデミア・専門家を加えることにより、エリートの主体をより丁寧にコーディングする。Team Populismに寄託するコーディングデータは、統一フォーマットに準拠しつつ、日本版のデータには下位カテゴリーを設けることを軸に調整を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、既にインターネット選挙が解禁された2013年以降の国政選挙における政党要件を満たす政党の党首演説は全て収集済みである。また自民党と民主党に関しては2009年衆院選、2010年参院選における選挙キャンペーンの演説を既に収集済みである。本研究は、内容分析(content analysis)の定式化された手続きに則ってコーディングを行う。複数のコーダーが共通のコーディング定義のもとで分類ができるよう、コーダーの訓練セッションを複数回設けることを検討している。Team Populismは訓練セッションを複数回実施しており、セッションへの参加経験も踏まえて、コーディングの不一致が生まれる要素を見極めながら丁寧に分類基準の平準化を目指す。コーダー間の信頼性(intercoder reliability)の数値が基準値(Krippendorff Alpha=.67を予定)を上回ってからコーディングを開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は前年度までに収集できなかった資料を継続的に収集し、コーディング体制の構築、ならびにコーダーの訓練を行う。また、2021年度にCas Mudde氏を早稲田大学に招聘し「Far Right Today」と題する授業を担当していただく予定である(新型コロナ感染症の状況によってはオンラインを想定)が、それに合わせて本研究課題の実施に向けた協議を重ねる予定である。当初の研究計画では、Cas Mudde氏の本務校があるジョージア大学に短期の研究滞在を予定していたが、新型コロナ感染症の状況を踏まえた上で、適宜オンラインによる打ち合わせを用いることで代用しつつ、研究計画を遂行する。
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Causes of Carryover |
2020年度は2021年1月より助成金の支出が可能になったが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、当初予定していた各種の図書館を利用した資料収集ができなかった。これらの資料については、電子的に入手可能なものに切り替え、次年度以降の計画において収集する等の方策により、当初の研究課題の遂行に問題が生じないよう注力する。
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Research Products
(6 results)