2020 Fiscal Year Research-status Report
Enhancing Social-Ecological Resilience through Sustainable Tourism Governance in post-corona era: Traditional value-based approach for Community Vision, Capacity and Leadership
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20KK0038
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
加藤 久美 和歌山大学, 観光学部, 教授 (30511365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淑瑠 ラフマン 金沢大学, 先端科学・社会共創推進機構, 特任助教 (30467097)
Miller Graham 和歌山大学, 国際観光学研究センター, 特別主幹教授 (40832697)
パストール・イヴァールス フアン 国際連合大学サステイナビリティ高等研究所, サステイナビリティ高等研究, リサーチ・アソシエート (50867637)
Sharpley Richard 和歌山大学, 国際観光学研究センター, 特別主幹教授 (60863082)
Doering Adam 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (70784560)
松尾 茜 公益財団法人地球環境戦略研究機関, その他部局等, リサーチャー (80885484)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 地域 / サステナビリティ / レジリエンス / ビジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究チームそれぞれの専門分野を確認し研究方針を決めるとともに、以下1)、2)の基礎調査に取り掛かっている。1)先進例: ニュージーランド、アイスランド、パラオにおけるビジョン宣言の詳細 (Palau Pledge Iceland Pledge, Tiaki Promise)。それぞれ映像・画像を使っているが、これらは、従来のプロモーションとは異なり、現地の文化・環境の特徴の紹介や提案も含む。来訪者への要望(責任ある行動、文化・自然の尊重)、注意喚起(交通、天候や災害への対応)が中心となり、地域主導型の「責任ある」観光行動の指針となっている。2)導入実践ガイドライン「持続可能な観光地評価基準」(GSTC-D)の詳細と評価基準の設定に関する調査:マネジメント(分野A)、経済(分野B)、社会・文化(分野C)、環境(分野D)の4分野、計38項目と関連SDGsについて、特にアジア地域のニーズに沿い、伝統的価値を反映し得る項目、その指標を抽出、それが各研究者の専門分野でどのように評価できるかに注目し、調査に着手している。1)多様性:社会的弱者(少数民族、女性、社会経済的弱者、高齢者、障がい者、マイノリティ) 支援、多様性に関与する項目を通して、地域レジリエンスを考察。2)環境変化への対応: 気候変動、多様性喪失など、環境危機への対応に伝統自然資源利用(農林水産)の従事者が持つ知識、技術、倫理観、環境変化の観察などが重視される。ここでは特に、現地の歴史、生態系に熟知する人々の関わりに注目する。3)無形文化:地域コミュニティのアイデンティティとしての無形文化(伝統知、技術、祭事等)は、地域環境と人、人と人とのつながりを維持する基盤であり、地域の多様性を育み、重要な観光資源ともなる。文化継承は、地域社会の理解、コミュニティの発展にリ-ダーとして寄与する人材育成の機会でもある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症拡大により国内外の移動や集会が規制され、実際に渡航することは現時点で困難である。よって、それぞれの専門性を地域で生かしながら研究を進めること、同時にテクノロジーを最大限に活用する必要が出てきている。昨年度よりプロジェクトHPの設置、インスタグラムやツイッターなどSNSの活用を検討し始めており、これにより共同研究者間の連携や国内外への発信、特に画像映像も活用したクリエイティブな発信方法を充実させるように努めていく。また、先進事例の一つであるニュージーランドにおける調査報告書The tourism futures taskforce report 2020 We are aotearoa の調査にも参画し、観光の回復における海外からの視点を提供した。これら、規制の多い中でも各国で可能な研究を進め、それを効果的に連携・共有していく手法を検討し進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はステージ1の後半として以下に取り組みまとめる。VISION基礎調査(先進事例調査):先進事例調査をさらに進め、特に伝統的価値の定義方法、政策への応用、評価方法について、政策立案者との聞き取り調査をオンラインにて行う。現地調査(来訪者、地域住民)は過去の事例を参照、また継続して行われている現地調査(eg Mood of the Nation)などの現状を得る。また、Booking.comなどOTAや各観光団体(AFARなど)が実施している持続可能な観光地づくり、事業の推進、そのツール(カーボンニュートラル計測ソフトウェアなど)を集約、その有効性、優秀事例などを集約する。各研究者は共通フレームワークに沿ってそれぞれの事例研究を進めていく。定期的にオンラインミーティングを開催し、年度末には対面、またはオンラインで研究会を実施する。研究チームとしては、本事業の重要な趣旨である若手研究者の研究推進について、論文共同執筆現地RA(若手研究員)とともに調査を行い、2年次最終の研究会までその結果をまとめる。国際的比較研究と多角的な検証のため、各国の状況や各担当者のこれまでの調査地域との関係などを項目別に調査する。What are the national visions put forward in the pledge/promise? In what method were they formulated? How is it effective in controlling visitor interests, behaviour and appreciation of local environment, society and culture? 現地での活動を進めるべく、各国の共同研究者、大学院博士課程の研究者の活動との連携も含め協議を進めている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大により国内外の移動や集会が規制され、実際に渡航することが困難であった。今後海外渡航が可能になるまでそれぞれの専門性を地域で生かしながら現地での研究を進めること、同時にテクノロジーを最大限に活用し、研究交流を進めていく。その際、現地研究協力者への経費、現地協力者への謝金、書籍、HP設置などに経費を使用していく。
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Research Products
(10 results)