2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of International Teacher Training Development -From the Perspective of Lesson Study & Curriculum Management-
Project/Area Number |
20KK0050
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
倉本 哲男 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30404114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千々布 敏弥 国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (10258329)
露口 健司 愛媛大学, 教育学研究科, 教授 (70312139)
高橋 美由紀 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30301617)
Ryan Anthony 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (30345938)
LANDER BRUCE 松山大学, 人文学部, 教授 (30792840)
伊藤 大輔 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 准教授 (40440961)
脇本 健弘 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (40633326)
坂井 清隆 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (50802849)
田村 知子 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (90435107)
磯部 征尊 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70736769)
川上 知子 常葉大学, 教育学部, 講師 (20824501)
野中 陽一 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10243362) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | Curriculum Development / Curriculum Design / Curriculum Management / Lesson Study / 教育課程経営論 / カリキュラムマネジメント論 / カリキュラム・マネジメント論 / Knowledge Management |
Outline of Annual Research Achievements |
国際共同研究強化(B)科研により,CMに関する国際的研究を展開中である。ヨーロッパ圏ではUK(ケンブリッジ大学), Finland(オウル大学),アジア圏ではHong Kong(香港教育大学), Vietnam(ハノイ国家大学), Cambodia(カンボジア教育省)等の教育機関と協働し,徐々にではあるものの,一定の成果を上げつつある。 学習指導要領が定義する「カリキュラム・マネジメント」は,以下の3点で規定される。1) 教科等横断的な視点で教育課程を編成。2) 教育実践の質の向上のためにPDCAサイクルを確立。3) 実践を可能とする資源(人・予算・物・時間・情報等)の活用。 しかし,上述の定義は,どのような理論研究を背景として提唱されたのか,その経緯,関連の先行研究の総括については,未だ不明瞭であり(論調に唐突感があり),全国的に甚大な影響力を持つ概念であるが故に,今一度,再吟味する必要性がある。 そこで,国際的・学術的視点からの関連研究は,概して以下のように大別できよう。①「カリキュラム開発論 (Curriculum Development)」:ある一定の教育思想・ビジョンを具現化する目標・内容・方法・評価論で構成。) ②「カリキュラムデザイン論 (Curriculum Design)」:広義には学習者中心のカリキュラム論。カリキュラム開発論の対概念の場合あり。) ③「カリキュラムマネジメント論 (Curriculum Management)」:カリキュラムを開発,又はデザインし,それらを組織的にリードして,マネジメントする統合的な概念。 ) 以上の理論的整理を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の【研究実績の概要】を踏まえ,本科研研究においては,CMを以下のように概念規定することができた。これが【現在までの進捗状況】と概括できよう。 「静的カリキュラム観(Curriculum Development & Curriculum Design)に終始せず,PDCA過程論をふまえた動的カリキュラム観(Action Research)に至ることを前提として,学校組織,コミュニティー組織等の教育目標を実践化(Input)するために,教育内容・方法上の指導領域(Curriculum & Instruction)と,それを支援する条件整備領域のManagement(Lesson Study等の内部組織の在り方)との2系列を『融合』(Output)する概念であり,教育学的には,教育方法学と教育経営学の固有の各領域を,カリキュラム学で包括する研究領域」となる。 更に,国内研究に留まらず,Curriculum Management論(以下,CM)の国際的展開の観点からは,例えば,World Association of Lesson Studies(WALS)における論調が参考になる。WALSには,「教職大学院の国際学会バージョン」と位置付けても差し支えない程の特徴があるが,WALSにおけるLesson Study(授業研究・校内研修等による教師教育論,及び,学校改善論)は,CMの部分的概念として理解される傾向にあり,我が国の教職大学院的な「理論と実践の融合・往還」の在り方も,Knowledge Management, Intellectual Capital, Action Research等の概念から論じられている。
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Strategy for Future Research Activity |
実践(研修)的見地からの「カリキュラムマネジメント(Curriculum Management)」とその研修の開発を展開する。 CMを実践的・研修的に理解する上で,例えば教職員支援機構(NITS)や各教育センター研修の場合,「カリキュラム(目標・内容・方法・評価論)を開発・デザインした上で,それらをマネジメントする組織の全体(1次円・2次円・3次円)的な活動」と定義し,端的には,「教職実践カリキュラムをマネジメントすること」を意味している。 その実用的な「1次円・2次円・3次円」によるCMの捉え方は,本著のp93の「変革的カリキュラムリーダーシップ」からヒントを得て,CM教員研修用に開発したものである。そこでCMは,1次円(児童生徒の育成等),2次円(教職員の育成・リーダーシップの発揮・組織開発・学校文化の醸成等),3次円(保護者・学校外組織との連携,及び地域開発等)の視点から理解することができる。その「1次円・2次円・3次円」による学校改善のために,「学校カリキュラム(教育課程)をつくり,それを(ヤング・ミドル・トップ)リーダーが組織的に動かしていくこと」がCMの定義であり(既述の科研定義とは別論として),特に実用的な教員研修等の場面では,これを継続的に提唱している。 以上を踏まえて理論を実践化する研修開発に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
これまでコロナの影響があり,海外の教育機関の訪問が,極めて困難であった。 ただし,今年度からは状況が改善されたので,やや遅れ気味の研究成果をカバーしていく。
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