2021 Fiscal Year Research-status Report
International Comparative Study on the Influences of Ordinary Language in Mathematical Argumentation in Mathematics Classrooms
Project/Area Number |
20KK0053
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
真野 祐輔 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (10585433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 健 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30375456)
大谷 洋貴 日本女子大学, 人間社会学部, 助教 (40825238)
袴田 綾斗 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (50824215)
|
Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
|
Keywords | 数学教育学 / 言語活動 / 証明学習 / アーギュメンテーション分析 / 生態学的アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究全体の目的は,数学授業における「数学的な言語活動」に影響を及ぼす日常言語の特徴を国際比較研究により実証的に明らかにすることである.本研究の仮説は,日常言語の違いによって,数学授業における証明や説明,議論などの「数学的な言語活動」の様式が,国や地域によって大きく異なり,それが数学学習の過程や結果に本質的な影響を及ぼす,ということである.この仮説を検証し,本研究の目的を達成するために,2020年度(10月下旬の交付決定後)より,ドイツ・ブレーメン大学とノルウェー・アグデル大学の海外共同研究者,国内研究分担者とともに国際共同研究を開始した.COVID-19の影響は想定以上に大きく,予定していた海外研究機関への訪問は実施できていないものの,2021年度は多くのオンラインミーティングを開催するとともに,特にカリキュラム文書や教科書に含まれる証明関連用語に注目して国際比較を中心に進めた.カリキュラム文書や教科書の制度は各国で異なるが,各国の数学授業の特徴を理解するための教育資料として重要なものである.カリキュラム文書の分析・比較においては大量の語句の分析を可能とするテキストマイニングアプローチを採用した.また,教科書の分析・比較においては海外共同研究者との協働により用語の選定や意味の解釈の共通理解を図りながら進めた.さらに,2021年度後半には,日本側の授業データの収集を開始することができた.日本側データの予備的分析の進捗については国内研究集会の開催を通して共有した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンラインによる研究ミーティングや研究集会を開催し,海外共同研究者および国内研究分担者とともに国際共同研究を遂行できており,国際比較の対象や方法も研究プロジェクト内で十分な議論を通して共有できていることから,「概ね順調に進展している」と判断される。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の主要な焦点は数学授業であるが,COVID-19の影響により,特に海外の学校での授業データ収集が困難な状況にある。今後は数学授業に影響を及ぼすカリキュラムや教科書の分析と比較を継続するとともに,社会情勢を見極めて国内外の授業データ収集を行う予定である。また,2022年度は国際会議等での研究成果発信も行う予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は,COVID-19の影響により国内外の移動が制限される中で,予定していた海外研究機関への訪問が実施できなかったこと,国内研究集会をオンライン開催に変更したこと,などである。今後は研究資料の収集,海外への郵送,学生アルバイト謝金,研究成果発信準備,などに加え,国内外の社会情勢が許せば研究集会を対面で行うための旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(9 results)