2023 Fiscal Year Research-status Report
The rethinking of aesthetic theories through neuroaesthetics and deep-learning studies of the role of emotions in aesthetic judgments
Project/Area Number |
20KK0055
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川畑 秀明 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70347079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 裕之 慶應義塾大学, グローバルリサーチインスティテュート(三田), 特任助教 (70847863)
星 玲子 (柴玲子) 慶應義塾大学, グローバルリサーチインスティテュート(三田), 特任助教 (90291921)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | 脳 / 美 / 覚醒 / 感情 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,鑑賞者が経験する美的感情に関する心理的基盤と脳内基盤の双方について,脳機能計測や心理学的実験を用いた研究,脳活動に対する深層学習をもとに美的感情を推定する研究,美術作品の様々な画像的特徴から深層学習を用いて印象評価を推定評価する研究を統合し,これまでの美学理論や美術史の系譜を再考することを目的としている。2023年度は,2022年度から継続して行ってきた,絵画画像に感じる美しさと感情的覚醒との共通性や相違点について脳活動部位やその活動部位のネットワークに関する脳活動解析を行ってきた。しかし,様々な分析法を試してきたが十分な活動部位の発見には至っておらず,そのことも含めて今後学会等での報告を行いたいと考えている。その他に,AIで生成した絵画画像とヒトが描いた絵画画像とを比較してヒトがヒトが描いたものと信じることでよく見ることに繋がることも明らかにした(Zhou & Kawabata, 2023)。 また,顔画像を用いた魅力の評価を対象とした深層学習について検討を行っており,顔の形態的特徴から明らかになる側面と深層学習により明らかになる点が相補的に考察できることを示すとともに(Sano & Kawabata, 2023),深層学習に関する研究を数件論文を投稿中であり,むしろその方が研究の進展としてあったと評価できる。今後,既に行ってきた連続フラッシュ抑制による美しさの視覚的意識への影響など論文化を急ぐ必要がある研究もある。 さらに,過去の美学理論においての感情に関する再考については,現在書籍を執筆しており,その中で取り上げる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験結果が芳しくない研究も見うけられるが,実験的研究そのものは概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は本課題の延長申請を行った。それにより論文等の投稿費を確保しており,また追加でのデータ取得が不可欠な研究もあり,あと一歩で論文投稿にまでたどり着く研究もあり,その成果発表の期間とする。
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Causes of Carryover |
現在投稿中の論文や実験を追加した上で論文として投稿しなければならない研究があり,そのための費用(論文の英文校閲料,投稿料,追加実験のための実験参加者謝金)を翌年度分として残すこととした。 次年度は,追加が必要な実験を切りよく終わらせて論文化・投稿するとともに,既に投稿してある論文や論文化を急いでいる論文をできるだけ早めに投稿し掲載されるようにする。
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