2023 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental and computational modeling studies to unravel the spinal-cerebellar circuits underlying locomotor adaptation
Project/Area Number |
20KK0226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳原 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90252725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青井 伸也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60432366)
結城 笙子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60828309)
藤木 聡一朗 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90770173)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 歩行 / 適応 / シナジー / 肢間協調 / 小脳 / 脊髄 / 神経筋骨格モデル / 動力学シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
歩行を円滑かつ安定に遂行するために、1つの下肢(げっ歯類では後肢)においては、股関節、膝関節、足関節の3関節が協調的に働く運動学シナジーを有していることが重要であり、また、後肢や前肢の左右間での肢間協調は歩行における重心の移動や直進における安定性に非常に重要な働きを持っている。歩行に関わる神経機構において、小脳は肢の運動学的情報について脊髄小脳路を介して受けており、その出力は脳幹からの種々の下行路を介して、脊髄内ニューロンの活動調節に重要な役割を果たしている。本研究においては、種々の遺伝子変異マウスやラットを用いた生理学的および運動学的解析と、解剖データに基づいた神経筋骨格の数理モデルによる動力学シミュレーションを用いて検証する構成論的手法を連携させることにより、歩行における小脳の適応制御機構について統合的に解明することを目的としている。本研究目的の達成のため、独自に製作した左右分離型ベルトトレッドミル実験系を整備し、ラットにおいては後肢2足歩行、マウスにおいては4足歩行時に左右のベルト速度を変化させた際の適応動態を詳細に調べた。 小脳障害を有する脊髄小脳失調症6型モデルマウス、小脳プルキンエ特異的mTOR活性化マウスにおいては、左右分離型ベルトトレッドミルにおける適応に顕著な障害が認められた。小脳長期抑圧を光遺伝学的に阻害することができる遺伝子改変マウスにおいても解析を進めている。 ラットの左右分離型ベルトトレッドミルにおける後肢2足歩行時に、即時的適応の際の関節仰角の特異値分解による運動学シナジー解析の結果、脚軸の回転運動に対応する時間協調の変化等が観察された。また、神経筋骨格モデルにおける動力学シミュレーションにおいて、股関節屈筋群からフィードバック情報に基づいた脊髄リズム生成回路に対する位相リセットが即時的適応に重要な働きを有することが示唆された。
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Research Products
(8 results)