2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of participatory watershed management system for control of water environment pollution in LAO PDR
Project/Area Number |
20KK0242
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
加藤 亮 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10302332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 芙美 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 任期付研究員 (10880297)
橋本 禅 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20462492)
乃田 啓吾 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60646371)
木村 匡臣 近畿大学, 農学部, 准教授 (80725664)
堀切 友紀子 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90647645)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 水環境 / 生態系サービス / 土地利用変化 / 都市域の拡大 / 水田の減少 / リモートセンシング / エージェントベースモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
ラオス国ビエンチャン市において,参加型水環境管理システムの構築を目指した。特に,都市化の進行と水田域の縮小に伴う,生態系サービスの減少に着目し,農家を中心とした水田農業の維持活動による,生態系サービスの維持の可能性について検討した。 まず,水田の減少について現地では経年的にデータが蓄積されておらず,10年程度の間隔で,土地利用の変化状況が記録されている程度であった。そこで,リモートセンシングデータから経年的に水田面積の減少,都市域のスプロール的な拡大を把握するため,雨季乾季に関わらず水田面積を特定するアルゴリズムを開発し,水田面積の変化を明らかにした。また,農村地域においてインタビュー調査を実施し,水田農家の実情と水管理作業の現状を把握した。農家の水田農業の維持の動向と,都市化の進展に伴う意識調査を実施した。水環境については,ビエンチャン市内の河川(マクヒアオ川)の水質調査を実施し,都市域での汚濁状況が過剰に進行している状況を把握し,水田域では水田排水が希釈効果を生んでいることを確認した。 これらの知見にもとづき,水田域における水利用の競合と協調に関するエージェントベースモデルの解析を行った。また生態系サービスの解析として,特に水田から都市域に土地利用変化が生じるプロセスについて,AHPと構造方程式モデルによる解析を行った。 以上から,ラオス国ビエンチャン市の水田農業は,極めて自給型の性向が強いため水田そのものの生態系サービスは維持することは可能であるが,都市化の進行と灌漑設備の老朽化により,水田域の維持が難しい状況にあることが示された。
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