2020 Fiscal Year Research-status Report
ナノ粒子拡散の画像解析に基づいたPCR不要な超高感度DNA検出技術の確立
Project/Area Number |
20KK0252
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
坂元 博昭 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (70552454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 知里 福井工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (10711492)
高村 映一郎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 助教 (30843015)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | バイオセンサ / ナノ粒子 / 画像解析 / 遺伝子検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
高感度・高精度なウイルスや有害微生物の検査技術確立は急務である。これまでに申請者は、新たな計測技術の創出を目標に、衛生管理を目的とした有害微生物のDNAを検出するバイオセンサを開発してきた。それは、相補的DNA断片と電子メディエータをシグナル分子として固定化したナノ粒子(プローブ修飾ナノ粒子)により、検出対象分子(抗原など)を選択的に捕捉し、ピコモル(ピコは10-12)レベルの高感度な電気化学バイオセンサである(Sakamoto and Suye, et. al., Biosen. Bioelectron. (2015))。しかし、一方で発症の有無を知るための感度には至らず、また、複数検体の同時計測が不可能であるといった課題があった。申請代表者は、かねてから研究連携を行っていた台湾 国立成功大学 Han-Sheng Chuang准教授らのグループのナノ粒子の溶液中の移動速度を計測する技術(Han-Sheng Chuang, et. al., Biosens. Bioelectron. (2018), PLOS ONE (2016))に着目し、申請者が開発したプローブ修飾ナノ粒子が検出対象DNAとハイブリダイゼーションした際の検出に画像解析による計測法の着想に至った。しかし、検出感度および測定精度に課題が残された。そこで、これまで検知していたナノ粒子運動を2次元から3次元へ拡張することで検出感度向上、さらにナノ粒子の動的挙動パターンを「主成分分析」により分類することで、分析精度を実用化レベル以上まで引き上げる。 令和2年度は、対象遺伝子を認識するためのプローブ配列の設計・合成を行った。MRSAの全ゲノムの内、薬剤耐性能を示す遺伝子領域の25bpをMRSA遺伝子捕捉用のプローブとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度に予定していた「プローブ修飾ナノ粒子の設計」について完了し、滞りなく令和3年度実施予定の項目へすすめることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度については、令和2年度に設計・合成したプローブ修飾ナノ粒子を用いて、画像解析実験を行う。画像解析については、当初令和3年度台湾へ渡航し実施する予定であったら、コロナウイルス感染症の影響により、ずれ込む可能性がある。
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Causes of Carryover |
分担者 坂元知里氏は、昨年度末、新型コロナウイルスの影響により研究活動停止となり、十分な研究が実施できなかった。昨年度の余剰金は、統計解析関連機器の購入に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)